JSTQB認定テスト技術者資格ってどんな資格?

ディスクリプション
JSTQB認定テスト技術者資格は、ソフトウェアテストの国際的な知識とスキルを証明する資格です。今回はJSTQB資格の概要、ISTQBとの違い、取得するメリット、そして効果的な学習方法まで、テストエンジニアのキャリアアップに役立つ情報を解説します。
導入
ソフトウェア開発において、品質保証は非常に重要な要素です。
その中でも「テスト」は、製品の品質を左右する最終防衛ラインと言えるでしょう。
しかし、漫然とテストを行うだけでは、効率性も品質も向上しません。
そこで注目されるのが、JSTQB認定テスト技術者資格です。
そもそもJSTQBとは、ソフトウェアテストの国際的な資格認定組織であるISTQB(International Software Testing Qualifications Board)に加盟しており、日本国内でISTQBの基準に基づいたテスト技術者の認定を行っています。
そのため、JSTQBの資格を取得するということは、世界共通のテスト知識とスキルを持っていることの証明になります。
そこで今回はテストエンジニアとしての市場価値を高め、キャリアアップを目指すすべての方に向けて、JSTQB認定テスト技術者資格の全貌を徹底解説します。

JSTQB認定テスト技術者資格ってどんな資格?
そもそもJSTQBとは、ソフトウェアテストの国際的な資格認定組織であるISTQB(International Software Testing Qualifications Board)に加盟しており、日本国内でISTQBの基準に基づいたテスト技術者の認定を行っています。
そのため、JSTQBの資格を取得するということは、世界共通のテスト知識とスキルを持っていることの証明になります。
JSTQB認定テスト技術者資格の概要
JSTQB認定テスト技術者資格は、ソフトウェアテストに関する知識とスキルを国際的に証明できる、いわばテストエンジニアのためのパスポートのような資格です。
この資格は、テストの専門家として世界で通用する知識や技術を体系的に学ぶことを目的としています。
この資格にはいくつかのレベルがあり、最も基礎的な「Foundation Level」から、より専門的な「Advanced Level」へと段階的に知識を深めることができます。
ISTQB認定テスト技術者資格との違い
結論から言うと、両者は同じ国際的なテスト技術者資格を指しています。
ISTQB(International Software Testing Qualifications Board)は、ソフトウェアテストの知識体系や資格認定の基準を世界中で統一している国際的な非営利団体です。
このISTQBが定めたシラバスや用語集に基づいて、各国のテスト組織がそれぞれの国で認定試験を実施しています。
一方JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)は、そのISTQBに正式に加盟している日本の組織です。
つまり、JSTQBが日本国内で実施している認定試験が「JSTQB認定テスト技術者資格」であり、これはISTQBの国際的な基準に完全に準拠しています。
そのため、JSTQBの資格を取得すれば、それはそのままISTQBの国際的な資格として認められ、世界中のどこでも通用するテストスキルを証明できることになります。
例えば、海外の企業で働くことになった場合でも、JSTQBの資格は国際的な評価基準に基づいて取得されたものとして通用するため、自身の市場価値を保つことができます。
名称の違いはありますが、根底にある知識体系や資格の価値は同じだと理解しておくと良いでしょう。
JSTQBの資格を取得する3つのメリット
次に、JSTQBの資格を取得する3つのメリットを見て行きましょう。
1.業務効率化につながる
まず一つ目は、テストに関する体系的な知識を習得し、実務での品質向上に直結できる点です。
JSTQBの学習を通じて、テストの目的、プロセス、設計技法、管理方法といった幅広い知識を網羅的に学ぶことができます。
これにより、日々の業務で「なぜこのテストが必要なのか」「どうすればもっと効率的にテストできるのか」といった疑問に対し、理論に基づいたアプローチで解決できるようになります。
2.自身のテストスキルを客観的に証明できる
二つ目のメリットは、自身のテストスキルを客観的に証明し、自信を獲得できることです。
JSTQBは国際的な資格であり、その取得は世界共通のテスト知識とスキルがあることの証明になります。
この客観的な評価は、社内外での信頼性を高めるだけでなく、自身のスキルに対する漠然とした不安を解消し、業務に自信を持って取り組むことにつながります。
3.エンジニアとしての市場価値を高めることができる
三つ目のメリットは、キャリアパスの選択肢を広げ、市場価値を高められることです。
資格を持つことで、テスト専門職へのキャリアチェンジや、プロジェクトの上流工程での品質保証業務への参画、さらにはマネジメント職への昇進など、多様な道が開ける可能性があります。
また、転職市場においてもJSTQB資格は高い評価を受けることが多く、自身の市場価値を向上させる強力な武器となるでしょう。
JSTQB資格試験の受験方法とポイント
システム開発に携わるエンジニアにとって、JSTQB認定テスト技術者資格の取得はキャリアを次のステージへと進める大きな一歩です。
試験の概要をしっかりと理解し効率的な学習計画を立てることが、合格への確実な道筋となります。
この章では、JSTQB資格試験の受験方法とポイントについて解説します!
JSTQB Foundation Levelの難易度
JSTQB Foundation Levelは、ソフトウェアテストの基礎知識を問うもので、テストに関する経験が少ない方でも十分に合格を目指せるレベルです。
具体的な合格率は公開されていませんが、一般的には6割程度の正答で合格ラインに達すると言われています。
学習時間の目安としては、テストに関する知識がほとんどない場合でもおよそ50時間から80時間の学習時間を確保できれば、合格圏内に入ると考えられます。
効果的な学習計画の立て方
JSTQB Foundation Levelの学習を効率的に進めるためには、自身のライフスタイルに合わせた無理のない学習計画を立てることが肝心です。
多忙なエンジニアでも実践しやすい学習法として、細切れ時間の有効活用が挙げられます。
例えば、通勤時間や休憩時間といった隙間時間に参考書を読んだり、スマートフォンアプリで用語を確認したりする習慣をつけましょう。
また、週末のまとまった時間を使って、過去問演習や模擬試験に集中して取り組むのも非常に効果的です。
計画を立てる際には、学習を継続できる現実的なスケジュールを組むことを最優先に考えてください。
具体的な学習ステップとしては、以下の点が挙げられます。
・JSTQBの公式サイトから最新の公式シラバスをダウンロードし、試験範囲の全体像を把握することから始めます。このシラバスは試験の「教科書」となるため、常に中心に据えて学習を進めます。 ・知識を深めるために市販の参考書を読み込み、並行して問題集で知識の定着を図りましょう。特に、過去に出題された問題形式に慣れることは、本番での得点に直結します。 ・試験直前には、模擬試験を時間を測って実施し、本番の感覚を掴み、自身の弱点を把握して重点的に復習することで、合格へ着実に近づくことができます。 |
まとめ
JSTQB認定テスト技術者資格は、ソフトウェアテストの専門家としての知識とスキルを国際的に証明できる、非常に価値のある資格です。
この資格を取得することで、単に知識が増えるだけでなく、業務効率の向上、自身のテストスキルへの客観的な証明、そしてエンジニアとしての市場価値向上という大きなメリットを享受できます。
ISTQBとJSTQBは、国際的な基準を共有する同じ資格であり、JSTQBの資格はそのまま世界中で通用するテストスキルを証明します。
Foundation Levelは、テスト経験が少ない方でも十分合格を目指せるレベルであり、効果的な学習計画と継続的な努力によって、合格への道が開かれます。
システム開発に携わるエンジニアにとって、JSTQB認定テスト技術者資格の取得は、キャリアを次のステージへと進める強力な武器となるでしょう!
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この記事の監修

Dr.T。テストエンジニア。
PractiTestエバンジェリスト。
大学卒業後、外車純正Navi開発のテストエンジニアとしてキャリアをスタート。DTVチューナ開発会社、第三者検証会社等、数々のプロダクトの検証業務に従事。
2017年株式会社モンテカンポへ入社し、マネージメント業務の傍ら、自らもテストエンジニアとしテストコンサルやPractiTestの導入サポートなどを担当している。
記事制作:川上サトシ