あなたのシステムを守り抜く!脆弱性診断のすべて

日々進化するIT技術。ビジネスのあらゆる場面でシステムが活用され、私たちの生活をより豊かに、便利にしてくれています。

しかし、その一方で、サイバー攻撃の脅威も増大しており、企業にとってセキュリティ対策は、これまで以上に重要な課題となっています。

セキュリティインシデントは、規模や業種を問わず、あらゆる企業で起こりうる可能性があるのです。

だからこそ、今、注目されているのが「脆弱性診断」です。

脆弱性診断とは、システムのセキュリティ上の弱点を見つけ出すための「検査」のようなもの。専門家やツールがシステムをチェックし、潜在的なリスクを洗い出します。

今回はそんな脆弱性診断の重要性から、具体的な導入方法、診断後の対策まで、わかりやすく解説していきます。

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なぜ、脆弱性診断が重要なのか?

近年、ニュースで企業のセキュリティインシデントが頻繁に取り上げられています。

顧客情報の流出やシステムの停止など、その被害は甚大です。

そしてセキュリティインシデントは、規模や業種を問わず、あらゆる企業で起こりうる可能性があります。

では、どうすればこのようなリスクを回避できるのでしょうか? 

答えは、脆弱性診断(セキュリティテスト)の実施です。

脆弱性診断とは、システムのセキュリティ上の弱点を見つけ出すための「検査」のようなものです。専門家がシステムをくまなくチェックし、「SQLインジェクション脆弱性」や「クロスサイトスクリプティング脆弱性」など、様々な脆弱性を洗い出します。

早期に脆弱性を発見し、適切な対策を講じることで、セキュリティインシデントのリスクを最小限に抑えることができます。

脆弱性診断は、企業にとって、もはや必須のセキュリティ対策と言えるでしょう。

脆弱性診断のメリット

脆弱性診断を受けることで、以下のようなメリットを得ることができます。

・日常業務を安心しておこなえる

・長期的なコスト削減につながる

・信用力がアップする

・セキュリティ意識が向上する

・ビジネスの継続性が確保できる

日常業務を安心しておこなえる

まず、第一に挙げられるのは「安心感」です。

セキュリティインシデントのニュースを見るたびに、「うちのシステムは大丈夫だろうか…」と不安になることもあるかもしれません。

そんな悩みを解消し、安心して日々の業務に集中できるようになるのが、脆弱性診断の大きなメリットの一つです。

専門家による診断でシステムの脆弱性を洗い出し、適切な対策を講じることで、セキュリティリスクを大幅に低減できます。システムの安全性を確認することで、安心してビジネスを継続できるようになるでしょう。

長期的なコスト削減につながる

次に、脆弱性診断は「コスト削減」にも貢献します。

セキュリティインシデントが発生した場合、その対応には多大な費用と時間がかかります。

顧客情報流出による賠償金やシステム復旧費用、信用失墜による機会損失など、その影響は計り知れません。

事前に脆弱性診断を実施することで、こうした事態を未然に防ぎ、結果的にコスト削減に繋がるのです。

信用力がアップする

さらに、脆弱性診断は企業の「信用力アップ」にも繋がります。

セキュリティ対策に積極的に取り組んでいる企業は、顧客や取引先からの信頼を得やすくなります。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証の取得など、セキュリティ対策をアピールすることで、企業のブランドイメージ向上にも役立つでしょう。

セキュリティ意識が向上する

また、脆弱性診断はシステム開発における「セキュリティ意識向上」を促進します。

診断結果をフィードバックすることで、開発者はセキュリティの重要性を改めて認識し、より安全なシステムを構築できるようになります。

セキュリティに関する知識やノウハウを蓄積することで、開発チーム全体のスキルアップにも繋がります。

ビジネスの継続性が確保できる

そして、脆弱性診断は「ビジネスの継続性」を確保するためにも重要です。

災害やサイバー攻撃など、予期せぬ事態が発生した場合でも、システムの安全性を確保することで、ビジネスの中断を最小限に抑えられます。

事業継続計画(BCP)の一環として脆弱性診断を導入することで、企業の安定的な運営を支えることができるでしょう。

このように、脆弱性診断は多岐にわたるメリットをもたらします。セキュリティ対策を強化し、企業の成長を促進するためにも、脆弱性診断を積極的に活用していくことをおすすめします。

脆弱性診断のやり方

脆弱性診断と一口に言っても、そのやり方にはいくつかの種類があります。

大きく分けると、「手動診断」と「ツール診断」の二つがあり、それぞれの特徴を理解することが、適切な診断を選ぶ上で重要になります。

手動診断

まず「手動診断」は、セキュリティの専門家がシステムの隅々まで丁寧にチェックしていく方法です。

長年の経験と知識を持つ専門家が、一つ一つの脆弱性を注意深く見つけ出し、その深刻度や影響範囲を分析します。

手動診断のメリットは、ツールの検知では見逃してしまうような、複雑な脆弱性も見つけることができる点にあります。

また、システムの構造や特性を考慮した上で、より的確な診断結果と対策を提示できるのも強みです。

ただしコストが高いこと、時間がかかることがデメリットとなります。

ツール診断

一方、「ツール診断」は、専用のソフトウェアを使って自動的に脆弱性を検出する方法です。

ツール診断は、短時間で広範囲の脆弱性をスキャンできるため、効率的に診断を進めることができます。また、手動診断に比べて費用を抑えられる場合が多いのも魅力です。

ただし、ツール診断は、あらかじめ登録されている既知の脆弱性しか検出できないという制限があります。そのため、未知の脆弱性や、システム特有の脆弱性を見逃してしまう可能性もあります。

またシステムが複雑だと深い部分まで診断できないという点もデメリットです。

組み合わせるという選択肢も

それぞれの診断方法には、メリットとデメリットがあるため、診断を依頼する際は、自社のシステムの規模や特性、予算などを考慮して、最適な方法を選ぶようにしましょう。

より高い精度で脆弱性を見つけ出すためには、手動診断とツール診断を組み合わせる方法もあります。

ツールで効率的に一般的な脆弱性を検出した上で、専門家が手動で詳細な診断を行うことで、より精度の高い診断結果を得ることが期待できます。

脆弱性診断を導入するには?

脆弱性診断の重要性を理解したところで、気になるのは「どうやって導入すればいいのか?」という点ではないでしょうか。

費用の検討

まず、気になるのは費用面。脆弱性診断の費用は、診断対象のシステム規模や診断内容によって大きく異なります。

小規模なシステムであれば数十万円から、大規模なシステムになると数百万円、場合によってはそれ以上かかることもあります。

最近は、無料で使える脆弱性診断ツールも提供されています。しかし、無料ツールは機能が限定的であったり、検出できる脆弱性の種類が少なかったりする場合があります。

そのため、本当に自社のシステムを守ることができるのか注意深く検討する必要があるでしょう。

脆弱性診断サービスの選び方

いざ脆弱性診断を導入しようと思っても、様々な企業がサービスを提供しており、どこを選べば良いのか迷ってしまうかもしれません。最適なサービスを選ぶためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか?

診断対象の範囲

まず、診断対象の範囲を確認しましょう。

脆弱性診断サービスによって、診断できる範囲は異なります。

Webアプリケーションのみを診断するサービスもあれば、ネットワークやサーバー、スマートフォンアプリまで幅広く対応しているサービスもあります。自社のシステム環境に合わせて、必要な範囲をカバーできるサービスを選ぶことが重要です。

例えば、Webサイトのセキュリティを診断したい場合は「Webアプリケーション診断」に対応したサービスを選びます。

社内ネットワーク全体のセキュリティを確認したい場合は、「ネットワーク診断」に対応したサービスを選びましょう。

もし、開発中のシステムのソースコードをチェックしたい場合は、「ソースコード診断」に対応しているかを確認する必要があります。

診断の深度

次に、診断の深度も重要なポイントです。

サービスによって、診断の深さや精度が異なります。表面的な診断のみを行うサービスもあれば、システムの内部構造まで詳しく分析するサービスもあります。

必要なセキュリティレベルに応じて、適切な深度の診断サービスを選びましょう。

具体的には、簡易的な診断で良い場合は、自動化ツールによる診断が中心のサービスでも十分かもしれません。

しかし、より詳細な診断を希望する場合は、専門家による手動診断を組み合わせたサービスを選ぶと良いでしょう。

アフターフォローについてもチェック

さらに、診断後のアフターフォローについても確認しておきましょう。

診断結果の報告だけでなく、具体的な対策方法のアドバイスや、セキュリティ対策に関するコンサルティングサービスを提供している企業もあります。

継続的なセキュリティ対策を支援してくれるサービスを選ぶことで、より安心してシステムを運用できるようになります。

その他にも、費用や実績、サポート体制なども考慮しながら、自社に最適なサービスを選びましょう。複数の企業から見積もりを取り、比較検討してみるのも良いかもしれません。

信頼できるパートナーを見つけることが、システムのセキュリティを守る第一歩となります。

脆弱性診断の流れ

では、実際に脆弱性診断を依頼する際の流れはどうなっているのでしょうか?

一般的には、まず診断を依頼するベンダーに問い合わせをし、診断内容や費用などの見積もりを依頼します。

その後、診断対象のシステムやセキュリティ要件などをベンダーに伝え、診断計画を策定します。

計画に基づいて、実際に診断作業が行われます。診断が完了すると、ベンダーから診断結果をまとめた報告書が提出されます。

この報告書には、検出された脆弱性の詳細や、そのリスクレベル、対策方法などが記載されています。

報告書を受け取ったら、記載されている内容をしっかりと理解することが重要です。

専門用語が多く、わかりにくいと感じることもあるかもしれません。そんな時は、ベンダーに問い合わせて解説してもらうようにしましょう。

診断後の対策を立てる

報告書の内容を理解したら、次は対策です。すべての脆弱性を一度に対策するのは難しい場合もあるため、リスクレベルの高い脆弱性から優先的に対策を進めるようにしましょう。

脆弱性診断は、導入するまでが大変なわけではありません。専門家のサポートを受けながら、一つずつステップを進めていけば、誰でも簡単に導入することができます。

脆弱性診断後のセキュリティ対策

脆弱性診断を実施し、システムの弱点を見つけたら、次はその改善に取り組む段階です。

診断結果をただ眺めるだけでなく、具体的なセキュリティ対策に繋げていくことが重要です。

セキュリティパッチの適用

脆弱性診断で発見された問題への対応としては、まずセキュリティパッチの適用が挙げられます。

セキュリティパッチとは、ソフトウェアの脆弱性を修正するためのプログラムです。

OSやアプリケーションの開発元から提供されるため、定期的に最新の状態に更新することで、既知の脆弱性を解消することができます。

アクセス制御の設定を見直す

また、アクセス制御の設定も見直しましょう。

アクセス制御とは、システムへのアクセス権限を適切に設定することで、不正アクセスを防ぐための対策です。

必要最低限の権限のみを付与することで、万が一不正アクセスが発生した場合でも、被害を最小限に抑えられます。

継続的なセキュリティ対策を練る

さらに、継続的なセキュリティ対策も重要です。

一度脆弱性診断を実施すれば終わり、というわけではありません。

システムは常に変化しており、新たな脆弱性が発見される可能性もあります。そのため、定期的な脆弱性診断の実施が推奨されます。

セキュリティ情報の収集をする

セキュリティ情報の収集も欠かせません。

セキュリティに関するニュースや情報サイト、セキュリティベンダーからの情報提供などを活用し、最新の脅威情報や脆弱性情報を入手しましょう。

得られた情報に基づいて、適切なセキュリティ対策を講じることで、システムの安全性を維持できます。

セキュリティシステムの導入

より強固なセキュリティ対策を検討する場合は、ファイアウォールや侵入検知システムなどの導入も有効です。

ファイアウォールは、外部からの不正アクセスを遮断するシステムです。

侵入検知システムは、システムへの侵入をリアルタイムで監視し、異常を検知した場合に管理者に通知するシステムです。

これらのセキュリティ対策を総合的に実施することで、システムのセキュリティレベルを向上させ、サイバー攻撃からシステムを守ることができます。

脆弱性診断をきっかけに、セキュリティ対策を強化し、より安全なシステムを構築しましょう。

まとめ

今回は脆弱性診断の重要性、メリット、種類、導入方法、そして診断後の対策までを解説しました。

脆弱性診断は、もはや企業にとって必須のセキュリティ対策と言えるでしょう。

システムの脆弱性を早期に発見し、適切な対策を講じることで、セキュリティインシデントのリスクを最小限に抑え、安心してビジネスを継続することができます。

脆弱性診断を導入する際には、自社のシステム環境やセキュリティ要件に合わせて、適切なサービスを選び、専門家のサポートを受けながら進めることが重要です。

脆弱性診断をきっかけに、セキュリティ対策を強化し、より安全なシステムを構築することで、企業の安定的な成長と発展に繋がるはずです!

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この記事の監修

Dr.T。テストエンジニア。
PractiTestエバンジェリスト。
大学卒業後、外車純正Navi開発のテストエンジニアとしてキャリアをスタート。DTVチューナ開発会社、第三者検証会社等、数々のプロダクトの検証業務に従事。
2017年株式会社モンテカンポへ入社し、マネージメント業務の傍ら、自らもテストエンジニアとしテストコンサルやPractiTestの導入サポートなどを担当している。

記事制作:川上サトシ