FinTechシステムのテストで押さえるべき7つの観点|金融システムの品質と効率を両立する方法

決済や送金などを扱うFinTechシステムでは、「一般的なWebシステムと同じテストをすれば十分なのか」と判断に迷う場面があります。

画面や機能が仕様どおり動くことはもちろん重要ですが、金融サービスでは、わずかな処理ミスでも残高不整合や二重決済といった大きな問題につながる可能性があります。

そのため、取引・データの正確性、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)による外部連携、性能、セキュリティ、障害時の復旧まで含めて考えることが欠かせません。

また、テスト項目を大量に増やせば安心できるわけでもありません。

金融システムでは、システム障害やサイバー攻撃が事業や顧客へ与える影響を踏まえ、重要なリスクから優先して確認する考え方が必要です。

テストの完了だけをゴールにせず、障害発生時の復旧や代替手段まで確認し、リリース後もサービスを継続できる状態を作ることが重要になります。

そこで今回は、FinTechシステムで押さえたいテストの全体像から7つの重要観点、効率化、リリース判断までを実務の流れに沿って整理しました!

「何を、なぜ、どこまで確認すればよいのか」を整理し、テスト計画の抜け漏れを防ぐための判断材料として活用できます。

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目次

FinTechのシステムテストは何が違う?まず押さえたい基本と重要性

FinTechのシステムテストでは、単に「仕様書に書かれた機能が動いた」という結果だけでは品質を判断できません。

金融サービスではシステムの停止や誤作動、不正利用などによって顧客や事業者が損失を受ける可能性があり、安全かつ安定的に稼働すること自体がサービスへの信頼につながります。

さらに、近年の金融システムはクラウドや外部サービス、APIなどを組み合わせて構築されるケースが増え、障害の原因が自社システム内部だけにあるとは限りません。

接続先の停止や通信遅延、不正なアクセス、データ連携の失敗まで含め、サービス全体を一つのシステムとして捉える視点が求められます。

また、品質を高めようとして確認項目を無制限に増やすと、開発期間やコストが膨らみます。

重要なのは、システムが抱えるリスクを整理し、影響の大きな領域へテスト工数を優先的に配分することです。

FinTechのテストでは、品質、スピード、リスク管理を同時に成立させることが大きなテーマになります。

FinTechでは「動くこと」だけでなく「正しく安全に取引できること」を確認しよう!

一般的なシステムテストでは、システム全体が要件を満たしているかを確認しますが、FinTechでは特に取引結果の正確性が重要です。

送金額や残高、手数料、決済ステータスなどが一つでも誤れば、単なる表示不具合では済まず、実際の資産や会計処理へ影響する可能性があります。

正常に処理できるケースだけでなく、通信が途中で切断された場合、外部APIから応答が返らない場合、同じ要求が複数回届いた場合なども確認する必要があります。

たとえば決済処理の途中でタイムアウトが発生した際、画面では「失敗」と表示されたにもかかわらず、実際には決済だけ完了している状態になれば、再操作によって二重決済が起こる可能性があります。

APIについても認証や認可、不適切なデータアクセス、外部APIの安全でない利用など、機能面とは別のリスクがあります。

FinTechではテストケース数の多さより、誤取引やサービス停止につながる重要な失敗パターンを想定できているかを重視することが大切です。

単体・結合・システム・受け入れテストの役割を混同しない!

FinTechシステムの品質を効率よく確認するには、それぞれのテスト工程で「何を保証するのか」を明確にしておく必要があります。

単体テストでは、金額計算や入力チェックなど、プログラムや機能単位で想定した結果になるかを確認します。

結合テストでは、画面とAPI、APIとデータベース、決済基盤と自社サービスなど、複数の機能を接続した際に正しく連携できるかを確認します。

システムテストでは、本番に近い構成を用意し、機能だけでなく性能やセキュリティ、障害対応を含めてサービス全体の品質を評価します。

受け入れテストでは、実際の業務や利用シーンを想定し、業務要件を満たした状態でサービスを提供できるかを確認します。

特に金融システムでは、ユーザー部門とシステム部門の認識差や業務要件の漏れが障害原因になることがあるため、設計・開発段階から各工程の検証と承認を明確にすることが重要です。

どの工程で、誰が、何を確認するのかを決めておけば、同じ確認の繰り返しと重要項目の確認漏れを同時に減らせます。

金融システムならではのリスクをテスト計画の出発点にしよう!

FinTechのテスト計画では、機能一覧からテストケースを作り始める前に、サービスで発生すると困る事象を洗い出すことが重要です。

最初に考えたいのは、誤送金、二重決済、残高不整合、情報漏えい、サービス停止など、顧客や事業への影響が大きいリスクです。

次に、それらの問題がどの機能やシステム連携で発生し得るのかを整理し、重要度の高い領域へテストを割り当てます。

24時間提供するサービスであれば、「障害を発生させないこと」だけではなく、障害発生後に代替手段へ切り替えられるか、必要な時間内に復旧できるかという観点も欠かせません。

金融分野では、サイバーセキュリティだけでなく、障害や外部環境の変化が起きても重要な業務を維持・復旧できるITレジリエンスも重視されています。

外部API、クラウド、決済事業者、認証サービスなどへの依存関係も可視化し、自社以外の障害を含めたシナリオを用意すると、より実運用に近いテスト計画になります。

抜け漏れを防ぐ!FinTechシステムで優先したい7つのテスト観点

FinTechシステムには多くの確認項目がありますが、すべてをばらばらに考えるとテストケースが膨大になり、優先順位を付けにくくなります。

そこで、①機能・取引、②API・外部連携、③データ整合性・同時実行、④性能・負荷、⑤セキュリティ、⑥障害・復旧、⑦規制・監査・証跡の7つに分けて整理すると、全体像を把握しやすくなります。

重要なのは、7種類を同じ密度で実施することではありません。

決済サービスであれば取引処理や外部連携、個人情報を多く扱うサービスであれば認証・権限やデータ保護など、事業特性によって優先順位を変えます。

また、システムの重要度やリスクに応じた安全対策を考えることは、金融情報システム全体の安全性を確保するうえでも重要な考え方です。

以下の7つをチェックリストとして機械的に消化するのではなく、重大事故を防ぐための確認軸として活用することがポイントです。

①機能・取引テスト|「正しく処理されたか」を金額とステータスまで確認!

機能・取引テストでは、入金、出金、送金、決済、返金、取消など、サービスの中核となる取引が仕様どおり処理されるかを確認します。

特にFinTechでは、画面上で「成功」と表示されることだけでなく、金額、残高、手数料、取引ステータス、後続処理まで一貫して正しいかを見ることが重要です。

正常系だけでなく、残高不足、上限超過、不正な入力、処理途中の通信断なども確認対象になります。

同じ決済要求が何らかの理由で再送された際に、二重で処理されないことも重要な確認ポイントです。

処理途中で障害が起きた場合は、取引を取り消すのか、途中から再開するのか、最初からやり直すのかを仕様として明確にし、その結果がデータベースや外部サービスにも正しく反映されるか確認します。

金融システムでは誤作動そのものが顧客や事業者の損失につながり得るため、画面表示ではなく取引全体の最終状態を確認することが基本となります。

②API・外部連携テスト|接続先が変わっても止まらない仕組みを確認!

FinTechサービスでは、決済、本人確認、認証、銀行口座連携などを外部サービスのAPIと組み合わせて提供することがあります。

そのためAPI・外部連携テストでは、正常なデータ交換だけでなく、接続先で異常が起きた場合の振る舞いまで確認することが重要です。

タイムアウト、通信切断、エラー応答、想定外のデータ、レスポンス遅延などを発生させ、待機や再試行、エラー処理が設計どおり機能するかを確認します。

再試行の結果として同じ取引が重複しないことや、アクセス権限のないデータをAPI経由で取得・更新できないことも確認が必要です。

APIではオブジェクト単位の認可不備、認証の問題、リソース消費の制御不足、外部APIを安全性の確認なしに利用する問題など、さまざまなセキュリティリスクも想定されています。

外部サービスを自由に停止させられない場合はモックやサービス仮想化を使い、異常応答を再現して、接続先に問題が起きても自社サービスが安全に振る舞えるかを確認します。

③データ整合性・同時実行テスト|残高や取引履歴のズレを防ぐ!

FinTechでは、一つの取引情報が画面、API、データベース、会計システム、外部決済基盤など複数の場所へ反映されることがあります。

このとき一部の処理だけが成功すると、利用者が確認する残高と実際の取引記録が異なるなど、深刻な不整合につながります。

データ整合性テストでは、一つの取引が関係するすべてのシステムで同じ状態になっているかを確認します。

また、複数の利用者や処理が同時に同じ口座やデータへアクセスする状況も重要です。

同時更新によって残高計算がずれる、更新内容が上書きされる、処理が互いに待ち続けるといった問題が起きないかを確認します。

日次や月次のバッチ処理、締め処理とオンライン取引が重なる時間帯など、実際の運用で発生する組み合わせもテスト対象に含めます。

少量のテストデータでは発生しない問題もあるため、本番に近い件数や処理パターンを使い、取引量が増えても正しいデータ状態を維持できるかを見ることが重要です。

④性能・負荷テスト|アクセス集中時でも取引を止めない!

性能・負荷テストでは、通常時に画面が速く表示されるかだけでなく、アクセスや取引が集中した際にも要求するサービス水準を維持できるか確認します。

FinTechでは給与日、キャンペーン、相場の急変、サービス開始直後など、短時間に利用が集中する場面を想定する必要があります。

実際に近い同時アクセス数や取引件数を発生させ、応答時間、処理件数、エラー率、システム資源の使用状況などを確認します。

負荷が上がった際には、Webサーバーだけではなく、API、データベース、外部サービスなど、どこがボトルネックになるかを切り分けることも重要です。

さらに、処理能力の限界を超えたときにシステム全体が一斉に停止するのか、アクセス制御や一部機能の制限によって重要サービスを継続できるのかも確認します。

金融サービスでは安全かつ安定的な稼働が重要であり、障害時の迅速な復旧もシステムリスク管理の重要な要素です。

平均的な性能だけでなく、最も厳しい利用状況でも重要取引を維持できるかまで確認することが大切です。

⑤セキュリティテスト|顧客の資産と情報を守れるか確認!

FinTechシステムでは個人情報や口座情報、取引情報などを扱うため、セキュリティテストを機能テストとは別の重要領域として考える必要があります。

まず、ログインや本人確認、多要素認証、権限管理が設計どおり働き、権限を持たない利用者が他人の情報や管理機能へアクセスできないことを確認します。

APIでも認証やオブジェクト単位のアクセス制御不備は重要なリスクとなるため、IDなどの値を書き換えるだけで他者の情報を参照できないかといった確認が必要です。

さらに、脆弱性診断や必要に応じた侵入テストを実施し、外部から悪用できる弱点が残っていないかを確認します。

通信時や保存時のデータ保護に加え、アプリケーションログへパスワードや認証情報、不要な個人情報が出力されていないかも確認したいポイントです。

金融分野ではサイバー攻撃への対応力と復旧力の強化が継続的な課題となっています。

そのため、リリース前の一度だけ確認するのではなく、変更や脅威の変化に合わせて継続的に検証する仕組みまで考えることが重要です。

⑥障害・復旧テスト|「壊れない」だけでなく「壊れても戻せる」を確認!

どれだけ対策しても、システム障害を完全になくすことは困難です。

そのためFinTechでは、障害を防ぐテストに加え、障害が起きても重要な取引を守り、サービスを復旧できるかを確認します。

サーバー、ネットワーク、データベース、クラウドサービスなどに障害が発生した状況を作り、冗長化された環境へ正しく切り替わるかを検証します。

切り替えそのものが成功しても、処理途中だった取引が消えたり二重になったりしては問題があるため、復旧後のデータ整合性まで確認することが必要です。

バックアップについても「取得できている」だけではなく、実際に戻せるか、必要な時間内にサービスを再開できるかをテストします。

障害時の代替手段やコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)は、文書を用意するだけでなく、実際に訓練し、結果を踏まえて改善することが重要です。

障害を起こさない設計と、起きたときに戻せる設計をセットで検証することで、サービス全体のレジリエンスを高められます。

⑦規制・監査・証跡テスト|「なぜリリースできるのか」を説明できる状態に!

FinTechでは、システムが正常に動くことに加えて、適用される法令や監督上の要求、社内ルール、契約上の条件を満たしているかも確認する必要があります。

ただし、すべてのFinTechサービスへ同じ規制が適用されるわけではないため、提供するサービスや事業形態に応じて確認対象を整理することが大切です。

金融情報システムの安全対策を考える際には、FISC(金融情報システムセンター)の安全対策基準なども、開発・導入・運用における安全対策を整理する材料となります。

テストでは、監査ログが適切に記録され、誰が、いつ、どの情報や取引へ、どのような操作を行ったかを追跡できるか確認します。

さらに、テスト結果だけでなく、発見した不具合、修正内容、再テスト結果、残っているリスクまで記録しておくことが重要です。

金融システムの移行判断では、必要なテストやリハーサルなどを終え、判断に必要な材料を揃えておく考え方が重視されています。

「テストを実施した」という記録ではなく、「主要なリスクを確認し、この根拠でリリースできる」と説明できる証跡を残すことがポイントです。

品質とスピードを両立!失敗しにくいテスト計画と効率化の進め方

FinTechのシステムテストでは、安全性を重視するあまりテスト項目を増やし続けると、開発期間やコストが膨らみます。

反対に、納期を優先して必要な検証を省けば、本番障害や手戻りによって結果的に大きな負担が発生する可能性があります。

金融システムの開発では、納期を優先するあまり各工程の完了基準を満たさないまま次工程へ進まないことも重要な管理ポイントです。

そこで必要になるのが、テストの量を増やすのではなく、リスクに応じて実施内容を最適化する考え方です。

重大な影響につながる機能へ工数を集中させ、繰り返し確認する部分は自動化し、外部環境の待ち時間はモックなどで減らします。

さらに、「全ケースを消化したら終了」という管理から、品質基準と残存リスクを確認してリリース可否を判断する管理へ切り替えることも重要です。

これらを組み合わせることで、品質を犠牲にせず、限られた期間と人員の中でテストを進めやすくなります。

まずはリスクの高い機能から!優先順位を決めてテスト計画を作ろう

テスト計画を作る際は、すべての機能を同じ深さで確認するのではなく、障害が発生した場合の影響と発生可能性を考えて優先順位を付けます。

たとえば金銭処理、本人認証、権限管理、個人情報、主要な外部連携、停止すると業務継続が難しくなる機能などは優先度が高くなりやすい領域です。

まず「この機能が壊れた場合、顧客や事業に何が起こるか」を整理し、その結果から必要なテストの種類と深さを決めます。

性能であれば許容する応答時間や処理件数、復旧であれば許容できる停止時間など、非機能要件についてもテスト前に合格条件を明確にしておきます。

要件とテストケースを対応付ければ、どの要件が確認済みで、どの部分が未確認なのかも把握しやすくなります。

また、ユーザー部門とシステム部門の認識差や要件漏れを後工程まで持ち越さないため、設計・開発の早い段階から品質確認を行うことが重要です。

リスクを先に決め、必要なテストを後から割り当てる順番にすると、限られた工数を重要な確認へ使いやすくなります。

テスト自動化は「繰り返すもの」から始めよう!

テスト自動化では、「自動化率を高くすること」を目標にすると、作成や保守にかかる工数が増え、期待した効果が得られない場合があります。

まず候補にしたいのは、何度も同じ条件で実行し、結果を機械的に判定できるテストです。

たとえばAPIの基本的な正常系・異常系、回帰テスト、定型的なデータ検証などは、自動化によって繰り返し確認しやすくなります。

一方、仕様や画面変更が頻繁な部分、操作感や表示内容を人が判断する必要がある部分などは、手動テストのほうが効率的な場合があります。

CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)と自動テストを連携すれば、プログラム変更のたびに重要な確認を実行し、不具合を早い段階で発見しやすくなります。

セキュリティ領域でも、APIの代表的なリスクを対象とした自動テストの仕組みが整備されており、継続的な検証という考え方と相性があります。

ただし、自動化はテスト設計の代わりではありません

重要なリスクが変化していないかを定期的に見直し、自動テストそのものも更新することが必要です。

外部環境の待ち時間を減らし、テストを前倒ししよう!

複数企業やシステムが関わるFinTech開発では、「接続先がまだ完成していないためテストできない」という状況が起こりやすくなります。

外部APIの完成を待ってからテストを始めると、不具合の発見がプロジェクト終盤へ集中し、修正や再テストの時間を確保しにくくなります。

そこで活用できるのが、実際の接続先の代わりとなるモックやサービス仮想化です。

正常なレスポンスだけでなく、タイムアウト、エラー、異常データ、応答遅延などを意図的に返す環境を用意すれば、実サービスでは再現しづらい条件も早期に検証できます。

これにより、開発とテストを並行して進めやすくなり、外部環境が完成してから初めて連携不具合が見つかるリスクを減らせます。

ただし、仮想環境ですべての問題を再現できるわけではありません。

金融システムでは実際の接続条件を踏まえた接続テストも重要であり、過去の障害を踏まえて十分な接続テストを計画する考え方が示されています。

開発中は仮想環境で前倒しし、最終段階では本番に近い実環境で確認するという使い分けが効果的です。

「テスト完了」ではなく「リリースしてよい条件」を決めよう!

テストケースを100%実施しても、重大な不具合が残っていれば安全にリリースできるとは限りません。

一方で、軽微な表示上の問題が一件残っているだけで、必ずしもサービス全体を延期する必要があるとは限りません。

そのためリリース判断では、テスト消化率ではなく、重要要件の達成状況、未解決不具合、性能・セキュリティの評価、残存リスクを組み合わせて確認します。

重大度ごとに未解決不具合をどこまで許容するか、性能や復旧能力をどの水準まで求めるかなどを事前に決めておくと、プロジェクト終盤で判断がぶれにくくなります。

未解決リスクを受容する場合は、内容と影響、代替策、判断者を記録し、後から経緯を確認できる状態にします。

金融システムの移行では、必要なテストやリハーサルなどを移行判定までに終え、安全性・安定性を踏まえた基準に沿って判断する考え方が重視されています。

つまり重要なのは、「予定していたテストが終わったか」ではなく、「主要リスクが許容できる状態になり、その根拠を説明できるか」です。

まとめ|FinTechのシステムテストは「重要リスクから逆算」が成功のカギ!

FinTechのシステムテストでは、機能が仕様どおり動くことだけでなく、取引の正確性、API連携、データ整合性、性能、セキュリティ、障害復旧、規制・監査まで幅広く確認する必要があります。

特に金融サービスでは、システムの停止や誤作動、不正利用などが顧客や事業へ大きな影響を与えるため、安全かつ安定的な稼働を前提としてテストを設計することが重要です。

ただし、すべての機能を同じ密度でテストすると、工数や期間が膨らみます。

そこで、重大障害につながるリスクから逆算して優先順位を決めることが、品質と効率を両立するポイントになります。

繰り返す確認は自動化し、外部環境を待つ工程はモックなどで前倒しすることで、重要な判断や探索的なテストへ時間を使いやすくなります。

また、障害対応や復旧計画は資料として整えるだけでなく、実際の訓練やリハーサルによって実効性まで確かめることが欠かせません。

最終的なゴールは「すべてのテストケースを消化した状態」ではなく、主要なリスクを把握し、許容できる水準まで抑え、その根拠を関係者へ説明できる状態です。

まずは開発中のサービスで障害が起きた場合に最も大きな損失につながる機能を洗い出し、7つの観点から現在のテスト計画に抜け漏れがないか確認するところから始めてみましょう。

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この記事の監修

Dr.T。テストエンジニア。
PractiTestエバンジェリスト。
大学卒業後、外車純正Navi開発のテストエンジニアとしてキャリアをスタート。DTVチューナ開発会社、第三者検証会社等、数々のプロダクトの検証業務に従事。
2017年株式会社モンテカンポへ入社し、マネージメント業務の傍ら、自らもテストエンジニアとしテストコンサルやPractiTestの導入サポートなどを担当している。

記事制作:川上サトシ(マーケター、合同会社ぎあはーと代表)