性能テストの概要と種類、実施の流れを徹底解説!
性能テストとは、システムが 期待通りのパフォーマンス を発揮できるかを確認するためのテストです。
今回は性能テストの 種類 や 実施方法 をわかりやすく解説します。
性能テストを理解し、 高品質なシステム開発 を実現しましょう!
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性能テストって何だろう?
システム開発において、性能テストは重要な役割を担います。
性能テストを行うことで、システムが 期待通りのパフォーマンス を発揮できるかを確認し、問題があれば改善することで、 高品質なシステム を構築することができます。
なぜ、性能テストが必要なの?
システムの利用者が増えると、システムへの負荷が高まります。
負荷が高まると、システムの処理速度が遅くなったり、エラーが発生したりする可能性があります。
最悪の場合、システムが停止してしまうこともあります。
このような事態を防ぎ、 安定したサービス を提供するためには、性能テストが不可欠です。
性能テストを行うことで、システムの 限界値 や 問題点 を事前に把握し、対策を講じることができます。
また、性能テストは、システムの 信頼性 を向上させるためにも重要です。
信頼性の高いシステムは、顧客満足度向上に繋がり、企業の競争力強化にも貢献します。
性能テストで調べたい内容
性能テストでは、システムの様々な側面を評価します。
主な評価項目は以下の点が挙げられます。
応答時間
システムがリクエストに応答するまでにかかる時間です。
ユーザーが快適に操作できるためには、応答時間を短くすることが重要です。
例えば、Webサイトの表示速度が遅いと、ユーザーはストレスを感じ、離脱してしまう可能性があります。
応答時間を測定することで、システムの処理速度を評価し、改善点を見つけることができます。
スループット
一定時間内にシステムが処理できるデータ量です。
スループットが高いほど、システムの処理能力が高いことを示します。
例えば、ECサイトで大量の注文を処理する場合、スループットが高いシステムが必要です。
スループットを測定することで、システムの処理能力を評価し、ボトルネックを特定することができます。
並行ユーザー数
システムに同時にアクセスできるユーザー数です。
システムが多くのユーザーに利用される場合、並行ユーザー数を考慮する必要があります。
例えば、オンラインゲームなど、多数のユーザーが同時にアクセスするシステムでは、並行ユーザー数が多いほど、システムへの負荷が高くなります。
並行ユーザー数を測定することで、システムがどの程度の負荷に耐えられるのかを評価することができます。
CPU使用量
システムがCPUをどの程度使用しているかを示す指標です。
CPU使用率が高い場合は、システムの処理能力が不足している可能性があります。
例えば、CPU使用率が100%に近い状態が続くと、システムの処理速度が低下したり、システムが停止したりする可能性があります。
CPU使用量を測定することで、システムの負荷状況を把握し、リソースの増強などの対策を検討することができます。
リソース使用量
システムがメモリやディスクなどのリソースをどの程度使用しているかを示す指標です。
リソース使用量が多い場合は、システムの性能に影響を与える可能性があります。
例えば、メモリ不足が発生すると、システムの処理速度が低下したり、システムが不安定になったりする可能性があります。
リソース使用量を測定することで、システムの安定稼働に必要なリソース量を把握し、適切なリソース管理を行うことができます。
これらの項目を測定することで、システムの パフォーマンス を客観的に評価し、 改善点 を特定することができます。
性能テストの種類
性能テストと一言で言っても、その種類は様々です。
システムの特性や目的に合わせて、適切な種類のテストを選択することが重要です。
ここでは、代表的な性能テストの種類を紹介します。
性能テスト(レスポンステスト)
基本的な性能テストであり、システムが 仕様通りの性能 を満たしているかを確認します。
例えば、Webサイトの表示速度が要件を満たしているか、APIのレスポンスタイムが規定値以内であるかなどを検証します。
このテストでは、システムに通常時の負荷をかけて、 応答時間 や スループット などの指標を測定します。
負荷テスト
システムに 高負荷 をかけて、 限界値 を測定するテストです。
システムがどの程度の負荷に耐えられるのか、負荷が高まったときにどのような挙動を示すのかを把握することで、 システムの安定稼働 に必要な対策を講じることができます。
ストレステスト
システムに 限界を超える負荷 をかけて、 異常系 の挙動を検証するテストです。
システムが過負荷状態になったときに、どのようなエラーが発生するのか、どのように復旧するのかを把握することで、 障害発生時 の対応を検討することができます。
スケーラビリティテスト
システムの 拡張性 を検証するテストです。
ユーザー数やデータ量が増加した場合でも、システムが 柔軟に対応 できるかを確認します。
スケーラビリティテストは、クラウドサービスなど、 拡張性 が求められるシステムにおいて重要です。
スパイクテスト
システムに 急激な負荷 をかけて、 耐性 を検証するテストです。
例えば、ECサイトでセールを実施する場合など、短時間にアクセスが集中する状況を想定してテストを行います。
耐久性テスト
システムを 長時間稼働 させ、 安定性 を検証するテストです。
メモリリークやパフォーマンスの低下など、長時間稼働によって発生する問題を検出することができます。
コンカレンシーテスト(並列実行テスト)
複数のユーザーが 同時に システムにアクセスしたときの挙動を検証するテストです。
データの競合やデッドロックなど、 並列処理 によって発生する問題を検出することができます。
キャパシティテスト(容量テスト)
システムが 処理できるデータ量 の 上限 を検証するテストです。
データベースの容量やネットワークの帯域幅など、システムの 容量 が不足していないかを確認します。
これらの性能テストを組み合わせることで、システムの パフォーマンス や 信頼性 を多角的に評価し、 高品質なシステム を構築することができます。
性能テストの流れ
性能テストは、システム開発における重要な工程の一つです。
適切な手順で性能テストを実施することで、システムの性能問題を早期に発見し、解決することができます。
性能テストの流れは、大きく分けて以下の3つの段階に分けられます。
・テスト計画 ・テスト実行 ・結果分析 |
テスト計画を立てる
性能テストを始める前に、まずは 綿密な計画 を立てる必要があります。
計画段階では、以下の項目を検討します。
①要件定義をする
システムに求められる 性能要件 を明確化します。
応答時間、スループット、並行ユーザー数など、 具体的な数値目標 を設定します。
この目標値は、システムの設計や開発の 指針 となります。
②性能テスト計画を立てる
テストの 目的 や 範囲 、 スケジュール などを決定します。
どの種類の性能テストを実施するか、どのツールを使用するかなどを検討します。
テスト環境の構築やテストデータの準備なども計画に含めます。
③詳細を設計する
機能側を開発する開発チームと連携し、サーバー機器のCPU、ディスクなどの数値や分散配置の設計、ネットワーク設計など、システム全体の 性能 に影響を与える要素を考慮します。
必要に応じて、 性能改善 のための対策を検討します。
④性能テストシナリオの作成
具体的な性能テスト シナリオ を作成します。
シナリオには、テストケース、テストデータ、実行手順などを記述します。
シナリオは、 テストの効率化 と 再現性 を確保するために重要です。
テストを実行する
テスト計画に基づいて、 実際にテスト を実行します。
⑤テスト環境の作成とツールの準備
テスト環境、テストデータ、CPU、ディスク、ネットワーク構成などを用意します。
テスト環境は、 本番環境 と同じ構成にすることが理想です。
テストツールは、 JMeter や LoadRunner など、様々なツールがあります。
⑥性能テストの実施
計画したシナリオに沿って、テストを実行します。
テスト実行中は、 監視ツール を使用して、システムの挙動を監視します。
応答時間やCPU、ディスクなどのリソース使用量、スループット、テスト中のログデータ、エラーデータなどの データ を収集します。
結果分析をする
テスト実行後、収集したデータを分析し、 結果 を評価します。
⑦性能評価
結果が最初に定義した性能要件を満たしているかを確認します。
求める性能データが得られなかった場合や、エラーが発生した、おかしな挙動が見られたなどの場合は、 原因の特定 が必要です。
必要に応じて、 性能改善 のための対策を検討します。
まとめ
今回は性能テストの概要、種類、実施の流れについて解説しました。
性能テストとは、システムが期待通りのパフォーマンスを発揮できるかを確認するためのテストです。
応答時間、スループット、並行ユーザー数など、様々な指標を測定することで、システムの性能を評価します。
性能テストには、負荷テスト、ストレステスト、耐久テストなど、様々な種類があります。
性能テストは、計画、実行、分析の3つの段階に分けて実施します。
適切に実施することで、システムの性能問題を事前に発見し、解決することができるでしょう。
性能テストについての理解を深めて、高品質なシステムを構築し、ユーザーに快適な操作性を提供していきましょう!
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この記事の監修
Dr.T。テストエンジニア。
PractiTestエバンジェリスト。
大学卒業後、外車純正Navi開発のテストエンジニアとしてキャリアをスタート。DTVチューナ開発会社、第三者検証会社等、数々のプロダクトの検証業務に従事。
2017年株式会社モンテカンポへ入社し、マネージメント業務の傍ら、自らもテストエンジニアとしテストコンサルやPractiTestの導入サポートなどを担当している。
記事制作:川上サトシ