ケース:6店舗展開の製パン事業者 シフト・予約管理を効率化

6店舗を展開し、社員30名、パートスタッフ150名ほどで運営されている製パン・販売事業者様のお話を伺いました。
店舗数もスタッフ数も多い一方で、シフト調整や予約・特注の管理には人の判断とアナログなやり取りが多く残っています。なかでも印象的だったのは、店舗責任者の方々が作ったシフトを常務の方が改めて確認・修正し、さらにご自身も連日のように店舗へ入っていることでした。
一つひとつを見ると「昔からこの方法で回っている業務」かもしれません。ただ、複数店舗・約180名という規模になると、人が頑張ることで成立している仕組みそのものが、次の成長を妨げる要因になりかねません。
そこで今回は、シフト管理と予約・特注管理を中心とした業務上の課題と改善案を、モンテカンポの業務効率化の視点で整理しました!
システムを入れること自体を目的にせず、「人が判断すべき仕事」と「仕組みに任せられる仕事」を分けながら考えていきます。
今回のケースの概要

今回悩みを聞いたのは、6店舗を展開されている製パン・販売事業者様です。社員約30名、パートスタッフ約150名という体制で店舗を運営されています。
現在、シフトは各店舗の責任者がまず8割ほど作成し、その後、残りの調整を常務の方が行っています。
店舗責任者だけでは調整しきれない休み希望や人員不足、店舗間の応援などを常務の方が確認しているため、月末になると製造業務を終えた後の時間が、ほぼ1週間にわたってシフト確認に使われる状態とのことでした。
さらに、常務の方は日常的にいずれかの店舗へ入り、日によっては2店舗を掛け持ちされています。
予約や特注商品の注文についても、電話で受けた内容をメモし、店舗のホワイトボードなどへ転記する運用が残っています。
私たちモンテカンポから見ると、今回のケースで優先的に改善すべきなのは単なる「シフト表の作成時間」ではありません。
人員配置、店舗間応援、予約・特注といった重要情報が一か所に集まらず、最終的に常務の方の確認と判断によってつながっている状態そのものを見直す必要があります。
モンテカンポの業務効率化支援でも、いきなりシステム導入から考えるのではなく、現在の業務を整理したうえで、人が行う仕事と仕組みに任せる仕事を切り分け、その職場に合った改善方法を設計しています。
今回のケースが抱える問題点

問題①:シフト確定までに確認工程が重なっている
現在は、各店舗の責任者がシフトを作成したあと、常務の方が全体を見ながら調整しています。
この運用では、一度作ったシフトを別の立場から見直す工程が発生するため、同じシフトに対して複数回の確認が必要になります。
特に6店舗分を横断して見る必要があるため、月末に作業が集中しやすく、通常業務の終了後に確認作業を行わなければならない状態につながっています。
問題は、シフト作成そのものよりも、確定までに多くの人の確認を必要としている点です。
問題②:店舗運営の判断が常務の方に集中している
常務の方はシフトの最終調整だけでなく、日常的に店舗へ入り、場合によっては2店舗を掛け持ちされています。
この状態では、シフト上の不足と現場の不足を、同じ方が埋め続ける構造になっています。
また、店舗間の応援や人員調整に関する判断も常務の方へ集まりやすくなります。
結果として、常務の方が不在の場合に調整が進みにくくなったり、本来取り組むべき店舗全体の運営や管理業務に時間を使いにくくなったりする可能性があります。
問題③:店舗をまたいだ人員状況が見えにくい
各店舗でシフトを作成していると、自店舗の人員状況は把握できても、他店舗まで含めた状況を確認するにはひと手間かかります。
たとえば、ある店舗で人員が不足していても、別店舗に応援可能なスタッフがいることをすぐに把握できなければ、調整に時間がかかります。
また、スタッフごとの担当可能業務や勤務可能店舗といった情報が整理されていない場合、人員が足りているように見えても、実際には必要な業務を担当できる人が不足していることもあります。
人数だけでなく、店舗をまたいだ人材の配置状況まで見えにくいことが、調整作業を難しくしています。
問題④:予約・特注情報が複数の場所に存在している
予約や特注の受付では、電話、メモ、ホワイトボードなど複数の手段が使われています。
この場合、同じ注文に関する情報が複数の場所に存在しやすく、どれが最新情報なのか分かりにくくなります。
変更の電話を受けた際に、一部だけが更新される可能性もあります。
特に予約や特注は、受注、製造、受け渡しと複数の担当者が関わるため、情報の伝達漏れや認識違いがそのまま現場のミスにつながりやすい業務です。
問題⑤:忙しさの原因が仕組みではなく人で吸収されている
現在の業務は、店舗責任者の方々や常務の方が柔軟に対応することで成り立っています。
そのため、大きなトラブルが発生していなくても、実際には誰かが追加の確認や店舗間の移動、情報の転記を行うことで問題を吸収している可能性があります。
こうした状態では、業務量が増えた際に負担もそのまま増えていきます。
「誰かが対応すれば回る」という状態が続くと、業務上の無駄が見えにくくなる点も今回のケースの課題です。
モンテカンポが考える解決方法

提案①:シフト確定の基準を決める
まず取り組みたいのは、シフトを作成する際の基準を明文化することです。
店舗ごとに必要な人数だけでなく、時間帯別の必要人数、製造担当者の配置、責任者の配置など、シフトを確定するための条件を整理します。
そのうえで、基準を満たしている場合は店舗責任者の判断で確定できるようにします。
反対に、基準を満たしていない場合だけ上位者へ確認する流れに変えれば、すべてのシフトを同じように確認する必要がなくなります。
私たちなら、まずは「どのケースなら現場で確定でき、どのケースだけ確認が必要なのか」を整理するところから始めます。
提案②:スタッフ情報とシフト希望を一元管理する
次に、シフト作成に必要な情報を一か所へまとめます。
単に勤務希望を集めるだけでなく、スタッフごとに勤務可能な店舗、担当可能な業務、勤務可能時間なども合わせて管理します。
こうすることで、ある店舗で人員不足が起きた際にも、応援可能なスタッフを探しやすくなります。
6店舗分の情報を同じ画面で確認できれば、店舗ごとのシフト表を見るだけでは分からなかった全体の人員状況も把握しやすくなります。
「誰が空いているか」ではなく「誰がどこで何を担当できるか」まで分かる状態をつくることがポイントです。
提案③:常務の方には例外だけを確認してもらう
シフト管理を効率化する際に重要なのは、常務の方の作業を少し速くすることではありません。
常務の方が確認する件数そのものを減らします。
たとえば、
「必要人数を満たしていない」
「責任者が配置されていない」
「必要な業務を担当できるスタッフがいない」
「他店舗からの応援が必要」
といった条件に該当するシフトだけを抽出します。
これにより、常務の方は6店舗分のシフトを最初から最後まで確認するのではなく、判断が必要な箇所だけを見る運用に変えられます。
人にしかできない判断を残し、それ以外の確認を減らすことが、今回のケースでは特に効果が大きいと考えます。
提案④:予約・特注の受付台帳を一つにする
予約や特注については、まず受付後の情報を必ず一つの台帳へ登録する運用に変えます。
電話受付をなくす必要はありません。
電話で注文を受けても、店舗で直接受けても、最終的には同じ受付画面へ登録します。
注文日時、受取店舗、受取日時、お客様名、商品、数量、注意事項、製造状況、受け渡し状況などを一つのデータとして管理できれば、関係するスタッフ全員が同じ情報を確認できます。
変更があった場合も同じデータを更新するため、「どのメモが最新なのか」を確認する必要がなくなります。
最初から複雑な予約システムを導入するのではなく、入力項目を整理した共有台帳から始める方法も現実的です。
提案⑤:シフトと注文情報を店舗運営に活用する
最終的には、シフト情報と予約・特注情報を別々に管理するだけでなく、店舗運営の判断につなげていきます。
たとえば、翌日に特注が多い店舗が分かれば、その情報を見ながら人員を厚くする判断ができます。
反対に、予約が少ない店舗から応援を出すといった調整も考えやすくなります。
ここまでできると、シフトは単なる勤務予定表ではなくなります。
注文量と人員配置を合わせて見るための店舗運営データとして活用できます。
私たちモンテカンポであれば、いきなり全店舗を対象に大きな仕組みを作るのではなく、まず一部の店舗や業務で試します。
現場で実際に使ってもらいながら、入力項目や確認方法を調整し、運用できる形が固まってから対象を広げていきます。
まとめ

今回のケースでは、シフト作成、店舗間の人員調整、予約・特注管理という複数の業務に課題があります。
ただ、それぞれを別々に見るのではなく、共通している原因を整理することが重要です。
今回の大きなポイントは、店舗をまたぐ情報が十分に整理されておらず、その不足を常務の方や店舗責任者の方々の判断と対応力で補っていることにあります。
そのため、私たちならまずシフト確定の基準を整理し、スタッフ情報を一元化します。そのうえで、常務の方が確認する対象を例外だけに絞ります。
予約・特注についても、受付方法を無理に変えるのではなく、受付後の情報を一つに集めるところから始めます。
最終的には、シフトと注文情報を店舗運営に活用できる状態を目指します。
現場の方が製造や接客へ集中し、常務の方が日々の穴埋めではなく、6店舗全体の運営を考える時間を持てる状態に変えていくこと。
今回のケースでは、それが業務効率化の大きなゴールになると私たちは考えています。
本来の仕事に集中できる環境をつくりませんか?

専門的な知識や技術が必要な仕事ほど、日々の業務の中には、専門性とは直接関係のない作業も数多く発生します。
予約や顧客情報の管理、転記、集計、確認作業、進捗管理、書類作成など、本来はもっと効率化できる業務に時間を取られていないでしょうか。
こうした作業を一つひとつ見直していくことで、専門職の方が、専門職にしかできない仕事へ集中できる時間を増やすことができます。
モンテカンポの業務効率化相談サービスは、単にシステムやツールを導入するためのサービスではありません。
まず現在の業務を整理し、専門職が担うべき仕事と、仕組みに任せられる仕事を切り分けるところから支援します。 そのうえで、既存ツールの活用や業務フローの見直し、必要に応じたシステム開発まで、それぞれの現場に合った方法を考えます。
「この作業に毎日時間を取られている」
「担当者にしか分からない業務がある」
「もっと本来の仕事に集中したい」
そんな感覚が少しでもあるなら、一度業務を見直してみる価値があります。
課題が整理できていなくても問題ありません。今、時間を取られている業務や、負担に感じている作業をそのままお聞かせください。
専門職の方が専門性を発揮できる時間を増やすために、モンテカンポが業務の整理から一緒に考えます。
小さなお悩みでも大丈夫ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください!