テストの自動化によって得られる3つのこと

近年、ソフトウェア開発の現場では、テストの自動化が注目されています。テスト自動化とは、専用のソフトウェアを使用してテストケースを実行するプロセスです。

従来の手動テストでは、テスターが一つずつテストケースを実行し、結果を記録していました。これは時間と労力がかかる作業であり、人的ミスが発生する可能性も高くなります。

一方、自動テストでは、テストの実行から結果の記録までを自動化ツールが行うため、テスターの負担を軽減し、効率的にテストを行うことができます。

この記事では、テスト自動化によって得られることについて解説させていただきます。

お悩みを解決できるツールがここにあります。
あなたの業務を一元化できる総合テスト管理ツール「PractiTest」の資料請求、
お問い合わせはこちらのボタンから!

▼テスト自動化ツール25製品の完全比較はこちら▼

テストの自動化によって得られること

テスト自動化は、ソフトウェア開発におけるテストプロセスを効率化し、品質向上とコスト削減を両立させるための有効な手段です。ここでは、テスト自動化によって得られる具体的なメリットについて詳しく解説します。

時間節約のメリット

手動テスト時間の短縮

従来の手動テストでは、テスターが一つずつテストケースを実行し、その結果を記録する必要がありました。

これは非常に時間のかかる作業であり、特に回帰テストのように繰り返し実行する必要があるテストでは、大きな負担となっていました。

自動テストツールを導入することで、これらの反復的なタスクを迅速かつ簡単に実行することができます。

例えば、Seleniumなどのツールを使えば、Webアプリケーションのテストを自動化し、ボタンのクリックやフォームへの入力、画面遷移などを自動的に実行することができます。

並列実行の許可

自動テストでは、複数のテストを同時に実行することができます。

テスト並列化ツールやクラウドベースのソリューションを使用することで、複数の環境でテストを同時進行し、テストにかかる時間を大幅に短縮することができます。

適切なフレームワークの使用

テスト自動化を効率的に行うためには、適切なフレームワークを選択することが重要です。JUnit、TestNG、pytestなど、様々なテストフレームワークがありますが、プロジェクトの規模や特性に合わせて最適なものを選びましょう。

保守性が高く、理解しやすいフレームワークを使用することで、テストスクリプトの作成や修正が容易になり、テストの速度とセキュリティを最適化することができます。

コスト削減のメリット

人件費の削減

自動テストを導入することで、手動テストにかかる人件費を削減することができます。

テスターは、より高度なテストや分析、自動テストのスクリプト作成などに集中することができ、人的リソースを有効活用することができます。

効率と精度の向上

自動テストAPIを活用することで、テストプロセスを効率化し、精度を向上させることができます。APIを使用することで、テストデータの準備やテスト環境の構築などを自動化し、テストの実行速度を高めることができます。

ROIの向上

自動テストツールを導入することで、テスト結果に集中し、プロセスを最適化することができます。これにより、テストのROI(投資対効果)を向上させ、より良い成果を生み出すことができます。

テスト範囲の改善

テストの繰り返し実行

自動テストでは、同じテストを何度でも繰り返し実行することができます。これにより、一貫性のある再現可能な結果を得やすくなり、テストの信頼性を高めることができます。

バグの早期検出

自動テストを開発サイクルに組み込むことで、バグを早期に発見し、修正することができます。早期にバグを発見することで、修正コストを削減し、ソフトウェアの品質向上に繋げることができます。

複数のシナリオテスト

自動テストでは、人間では再現が難しい複雑なシナリオでも、容易にテストすることができます。

例えば、負荷テストやパフォーマンステストなど、大量のアクセスやデータを扱うテストを自動化することで、システムの限界性能やボトルネックを効率的に見つけることができます。

さらに、一度作成したテストスクリプトは、他のプロジェクトやテストでも再利用することができます。これにより、テストケース作成の手間を省き、効率的にテストを行うことができます。

人間の介入の役割

自動化における人間の介入の役割

自動テストは、ソフトウェア開発の効率化に大きく貢献しますが、人間の介入なしに完全な自動化は実現できません。

自動テストを効果的に活用し、そのメリットを最大限に引き出すためには、人間の知見や経験が不可欠です。

自動テストには人間の介入が不可欠

自動テストの設計、実装、保守には、専門的なスキルを持つ人間の介入が必要です。

・テスト設計: どのようなテストを自動化するのか、どのようなテストケースを作成するのか、などを決定する必要があります。

・テスト実装: テストスクリプトの作成やテスト環境の構築など、自動テストを実行するための準備が必要です。

・テスト保守: ソフトウェアの変更に合わせて、テストスクリプトを修正したり、新しいテストケースを追加したりする必要があります。

これらの作業は、自動化ツールだけでは完結することができず、人間の知見や経験が不可欠です。

自動化の制限と欠点

自動テストには、以下のような制限や欠点があります。

インテリジェンスの欠如

自動化システムは、批判的思考や意思決定を行うことができません。また、予期せぬエラーが発生した場合でも、それを自動的に認識して対処することはできません。

初期コストが高い

自動テストを導入するためには、ツールやシステムの導入費用、スクリプト作成費用など、多額の先行投資が必要になります。

適応性の欠如

自動化システムは柔軟性に欠け、変更が難しい場合があります。特に、ユーザビリティやユーザーエクスペリエンスの問題を特定するのは難しいです。

人間による介入が必要な例

例えば、電子メールマーケティングでは、自動化ツールを使ってメールの送信を自動化することができます。

しかし、配信結果に基づいてキャンペーン設定を調整したり、顧客の反応に合わせてコンテンツを改善したりするなど、人間の介入が不可欠です。

人間によるテストと自動テストの統合方法

自動テストのメリットを最大限に活かすためには、人間によるテストと自動テストを効果的に統合することが重要です。

探索的テストに投資

探索的テストとは、事前にテストケースを定義せずに、テスターの経験や知識に基づいてテストを行う手法です。

自動テストではカバーできない領域を発見し、新しいテストケースを作成することができます。

ユーザビリティテストの活用

ユーザビリティテストは、実際にユーザーを参加させてテストを行い、プログラムがユーザーフレンドリーかどうかを確認する手法です。

自動テストでは、ユーザーの主観的な評価や感情を把握することはできません。ユーザビリティテストを通じて得られたフィードバックは、UI/UXの改善に役立ちます。

アクセシビリティテストの実行

アクセシビリティテストは、障害のあるユーザーでもソフトウェアにアクセスできるかどうかを評価するテストです。

自動テストでは、アクセシビリティに関する問題を全て検出することはできません。

WCAGなどのガイドラインに従って、スクリーンリーダーなどの支援技術を使用してテストを行い、アクセシビリティを確保する必要があります。

人間と自動テストを組み合わせることで、それぞれの強みを活かし、より効果的なテストプロセスを構築することができます。

まとめ

この記事では、テスト自動化のメリットを中心に解説しました。

テスト自動化を導入することで、

・時間とコストを削減

・テスト範囲を拡大

・テストの精度を向上

といったメリットを得られます。

しかし、自動テストは万能ではありません。

・人間の行動を完全に再現できない

・人間の介入が必要

といった限界があることも理解しておく必要があります。

テスト自動化を効果的に活用するためには、人間によるテストと自動テストを適切に組み合わせることが重要です。

探索的テストやユーザビリティテストなど、自動テストではカバーできない領域を人間が補うことで、より効果的なテストプロセスを構築することができます。

テスト管理業務の効率化ならPractiTest

システムテストを効果的に行うためには、優れたテスト管理ツールの導入が不可欠です。PractiTestは、プロジェクトごとのカスタマイズ性すでにあるテスト資産の再利用性他ツールとの連携性にすぐれた総合テスト管理ツールであり、あらゆるテスト活動を一元管理することができます。システムの品質向上とテスト業務の効率化を図りたいと考えているなら、ぜひPractiTestの導入を検討してみてください!

お悩みを解決できるツールがここにあります。
あなたの業務を一元化できる総合テスト管理ツール「PractiTest」の資料請求、
お問い合わせはこちらのボタンから!

資料請求・トライアルお申し込みはこちらから!

この記事の監修

Dr.T。テストエンジニア。
PractiTestエバンジェリスト。
大学卒業後、外車純正Navi開発のテストエンジニアとしてキャリアをスタート。DTVチューナ開発会社、第三者検証会社等、数々のプロダクトの検証業務に従事。
2017年株式会社モンテカンポへ入社し、マネージメント業務の傍ら、自らもテストエンジニアとしテストコンサルやPractiTestの導入サポートなどを担当している。

記事制作:川上サトシ