欠陥/バグのライフサイクルとは?状態別のワークフローまで解説!
ソフトウェア開発において、欠陥(バグ)の発生は避けられません。
重要なのは、その欠陥をいかに効率的かつ適切に管理するかです。
そこで今回は欠陥が発見されてから完全に解決されるまでのプロセスを「欠陥/バグのライフサイクル」として解説します。
このライフサイクルを理解し、チーム内で共有することで、欠陥管理プロセスの透明性が高まり、開発の効率化と品質向上に繋がります。
具体的な欠陥ステータスの種類から、各ステータス間の詳細なワークフローまでを詳しく見ていきましょう!

欠陥/バグのライフサイクルとは?
ソフトウェア開発において、欠陥やバグは避けられないものです。
その欠陥が発見されてから、修正されて最終的に解消されるまでの一連の流れを「欠陥/バグのライフサイクル」と呼びます。
このサイクルを理解し、適切に管理することは、開発プロセスの透明性を高め、効率を向上させるために非常に重要です。
ライフサイクルは単にバグを修正するだけでなく、欠陥の状態を明確に定義し関係者間で共有することで、コミュニケーションを円滑にする役割も担っています。
たとえば、テスターが発見した欠陥が現在どの段階にあるのか、誰が担当しているのか、修正された後に何をすべきかが明確になります。
これにより、手戻りが減り、無駄な作業を削減できます。
このライフサイクルは、組織やプロジェクトによってさまざまなモデルが存在しますが、一般的な流れは共通しています。
具体的には、欠陥の発見から始まり、開発者への割り当て、修正、再テスト、そして最終的なクローズまでといったステップが含まれます。
これらのプロセスを体系的に管理することで、品質の現状を正確に把握し、製品の品質向上につなげることが可能になります。
また欠陥の発生傾向や修正にかかる時間などを分析することで、開発プロセスの弱点を特定し、将来的な改善策を講じるための貴重なデータを得ることができます。
欠陥ステータスとは?
欠陥ステータスとは、ライフサイクルの中で、欠陥が現在どの段階にあるかを示す状態のことです。
このステータスを明確に定義することで、欠陥管理プロセスが可視化され、チーム内の全員が共通認識を持てるようになります。
一般的な欠陥ステータスには、以下のようなものがあります。
・新規(New):テスターによって欠陥が発見・報告されたばかりの初期状態です。 ・割り当て済み(Assigned):報告された欠陥が、特定の開発者やチームに割り当てられた状態です。 ・オープン(Open):割り当てられた欠陥に対して、担当者が修正作業を開始した状態です。 ・修正済み(Fixed):開発者が欠陥を修正し、再テストを待っている状態です。 ・再テスト待ち(Ready for Retest):修正が完了し、テスターが再テストを行う準備ができた状態です。 ・再テスト中(Retesting):テスターが修正内容の確認テストを行っている状態です。 ・クローズ(Closed):再テストの結果、欠陥が完全に解消されたと確認された状態です。 |
これらの他にも、例えば「再現不能(Cannot Reproduce)」や「仕様通り(As Designed)」といったステータスも存在します。
それぞれのステータスをチームで定義し、明確な運用ルールを定めることが、円滑な欠陥管理には不可欠です。
ステータスを適切に設定することで、開発者は修正に集中でき、テスターは再テストを効率的に進めることができます。
欠陥状態のワークフロー
欠陥状態のワークフローとは、欠陥が発見されてからクローズされるまでの各ステータス間の具体的な遷移を定めたものです。
このワークフローを明確にすることで、誰が、どのタイミングで、どのようなアクションを取るべきかが一目でわかります。
一般的なワークフローを、前述の状態ステップごとに記載すると以下のとおりになります。
・新規(New):テスターが欠陥を発見し、欠陥管理ツールに登録すると、ステータスは「新規」になります。この際、再現手順や期待される結果、実際の動作などを詳細に記述することが重要です。 ・割り当て済み(Assigned):QAエンジニアやテストマネージャーが欠陥をトリアージし、優先度や深刻度を判断した上で、担当の開発者に欠陥を割り当てます。 ・オープン(Open):担当者が修正作業に着手すると、ステータスは「オープン」に変わります。 ・修正済み(Fixed):開発者が修正を終えると、ステータスを「修正済み」に変更します。この時点で、テスターは再テストの準備に入ります。 ・再テスト中(Retesting):テスターが修正内容を検証するために、再現手順に沿って再テストを実行します。 ・クローズ(Closed)または再オープン(Reopen):再テストで欠陥が解消されていることが確認できれば、「クローズ」となり、一連のサイクルは終了します。もし修正が不十分で欠陥が再び発生した場合は、ステータスを「再オープン」に戻し、再度担当の開発者に割り当てられます。 |
このワークフローをチーム内で共有し、徹底することで、無駄なコミュニケーションコストを削減し、効率的な欠陥管理を実現できます。
また、ワークフローに沿って進捗を追跡することで、欠陥の修正状況が可視化され、リリースの判断材料にもなります。
まとめ
今回は欠陥/バグのライフサイクル、欠陥ステータス、そしてその具体的なワークフローについて解説しました。
欠陥の発見から修正、そしてクローズに至るまでの一連の流れをチーム全体で共通認識として持つことは、欠陥管理の効率化と品質向上に不可欠です。
ワークフローを明確にすることで、手戻りの削減やコミュニケーションコストの低減が期待できます。
また、欠陥の進捗状況を可視化することで、リリースの判断をより客観的に行うことが可能になります。
ぜひ、この記事で得た知識を自社の開発プロセスに活かし、より質の高いソフトウェア開発を目指してください。
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この記事の監修

Dr.T。テストエンジニア。
PractiTestエバンジェリスト。
大学卒業後、外車純正Navi開発のテストエンジニアとしてキャリアをスタート。DTVチューナ開発会社、第三者検証会社等、数々のプロダクトの検証業務に従事。
2017年株式会社モンテカンポへ入社し、マネージメント業務の傍ら、自らもテストエンジニアとしテストコンサルやPractiTestの導入サポートなどを担当している。
記事制作:川上サトシ