ケース:社員60名の建設事業者様 職人・協力会社の手配を効率化するには?

建設現場を円滑に動かすためには、職人の方や協力会社の適切な手配が欠かせません。しかし、その業務が特定の管理者の経験や記憶に頼っていると、発注ミスや工期の遅れにつながることがあります。
そこで今回は、職人・協力会社の手配に関する問題点と改善方法を、モンテカンポの業務効率化の視点から5つの提案で整理しました!
今あるExcelやメールを活かしながら、無理なく始められる改善方法を考えていきます。
今回のケースの概要

今回悩みを聞いたのは、社員60名の建設事業者様です。
管理部門は1名で、普段の業務に使用している道具はExcelとメールのみ。職人の方や協力会社の手配は、特定の管理者の方の経験や記憶を頼りに進められているとのことでした。
「この工事なら、あの協力会社にお願いできそう」「この職人の方は、たしか来週なら空いているはず」といった判断を、管理者の方がご自身の知識や経験をもとに行う形になっています。
こうした経験は、長年の現場対応で培われた大切な財産です。
しかし、その情報が会社全体で共有できる形になっていないため、発注ミスや手配の行き違いが発生し、工期の遅れにもつながっていることが課題です。
私たちモンテカンポでは、今回のケースで重要なのは、管理者の方の負担を増やさずに、必要な情報を誰でも確認できる仕組みを整えることだと考えています。
今回のケースが抱える問題点

問題①:職人や協力会社の情報が特定の管理者に集中している
今回のケースで最も大きな問題は、職人の方や協力会社に関する情報が、特定の管理者の方の記憶に依存していることです。
たとえば、協力会社ごとの得意な工事、対応可能な地域、過去の施工実績、連絡先などが整理されていなければ、適切な手配先を探すたびに管理者の方へ確認する必要があります。
管理者の方が不在の場合には、ほかの社員が判断できず、手配そのものが止まってしまう可能性もあります。
また、担当者が変わるたびに過去のやり取りを確認したり、協力会社へ改めて問い合わせたりすることになれば、同じ確認作業が繰り返されます。
経験豊富な管理者の方に頼ること自体ではなく、その知識を組織で活用できないことが課題です。
問題②:現場ごとの手配状況をまとめて把握できない
建設業では、複数の現場が同時に動くことも珍しくありません。
それぞれの現場で必要な人員を個別に手配していると、会社全体で誰がどの現場に入る予定なのか、把握しにくくなります。
たとえば、ある協力会社へ月曜日の作業を依頼したあと、別の現場からも同じ日程で依頼してしまうといった二重手配が考えられます。
また、すでに依頼しているのか、相手から回答をもらっているのか、正式に確定したのかが分からなければ、何度も確認が必要になります。
手配先を知っていることと、現在の手配状況を把握できていることは別の問題です。
現場を横断して予定を確認できない状態が、発注ミスの原因になっている可能性があります。
問題③:メールでの発注内容や変更履歴が追いにくい
現在の連絡手段はメールが中心ですが、メールだけでは発注情報を整理しきれない場合があります。
たとえば、最初に3名で依頼したものの、後から2名へ変更するケースです。
変更の連絡を送っていても、管理表が更新されていなければ、どの情報が最新なのか分からなくなります。
また、メールを送っただけで手配が完了したと思っていても、協力会社から正式な承諾を得られていない可能性があります。
このように、発注した内容と、実際に確定した内容が一致しているか確認しにくいことが問題です。
発注ミスが起きた際にも、どの段階で行き違いが発生したのか確認するまでに時間がかかってしまいます。
問題④:人員不足の発見が遅れ、工期に影響している
職人の方や協力会社の手配は、工事全体の進行に直接関わります。
たとえば、予定していた作業日に必要な人員がそろわなければ、その後に予定している別の工事にも影響が出る可能性があります。
人員不足に直前まで気づけない場合、急いで別の協力会社を探す必要があり、通常よりも調整に時間がかかります。
また、急な手配変更が重なると、現場担当者や協力会社との調整も複雑になり、管理者の方の負担がさらに増えてしまいます。
工期を守るためには、作業が始まる直前になってから人員不足に気づくのでは遅い場合があります。
そのため、問題が起きてから対応するだけでなく、必要な人員を確保できていない現場を早い段階で把握する仕組みが必要です。
問題⑤:管理部門が1名で、確認作業を増やせない
今回の事業者様では、管理部門が1名という点も見逃せません。
手配状況の確認、発注内容の整理、協力会社との連絡などを、管理部門だけで細かく管理しようとすると、かえって業務負担が増える可能性があります。
改善のために新しい管理表を作っても、毎日の入力や確認が増えてしまっては意味がありません。
特に、現場担当者が把握している情報を管理部門へ伝え、それを改めてExcelへ転記するような運用では、作業が二重になってしまいます。
今回必要なのは、管理部門がすべての情報を集める仕組みではありません。
現場で発生した情報を、できるだけその場で記録し、必要な人が確認できる仕組みです。
モンテカンポが考える解決方法

提案①:手配業務の流れと確認ルールを明確にする
私たちが最初に取り組みたいのは、職人の方や協力会社を手配する際の業務の流れを整理することです。
いきなり新しいシステムを導入する必要はありません。
まずは現在、誰が手配先を選び、誰が発注し、誰が確定を確認しているのかを明らかにします。
そのうえで、「手配依頼」「相手先からの回答」「正式な確定」「変更・キャンセル」という状態を区別します。
特に大切なのは、メールを送っただけでは手配完了としないことです。
協力会社から対応可能という回答を受け、必要な条件を確認した段階で、初めて手配を確定するルールにします。
また、現場担当者が決められることと、管理者の判断が必要なことも整理します。
通常の手配は現場担当者が進め、手配先が見つからない場合や、複数の現場で人員が重複する場合だけ管理者へ確認する形が理想的です。
これにより、管理者の方がすべての案件を最初から確認する必要がなくなります。
管理者の作業を速くするのではなく、管理者が判断しなければならない件数そのものを減らす。
これが最初の改善ポイントです。
提案②:職人・協力会社の情報を共通の台帳にまとめる
次に取り組みたいのは、職人の方や協力会社に関する情報の整理です。
今回のケースでは、まずExcelを使った共通の管理台帳を作る方法が現実的だと考えます。
台帳には、会社名や担当者名、連絡先だけでなく、対応可能な工種、得意分野、対応地域、過去の依頼実績などを登録します。
必要に応じて、工事に必要な資格や許可の確認状況、確認日なども管理できるようにします。
たとえば、内装工事を依頼したい場合には、台帳から内装工事に対応できる協力会社を絞り込めるようにします。
これだけでも、毎回管理者の方に「どこへ依頼すればよいですか」と確認する時間を減らせます。
また、過去の依頼実績を残しておけば、新しい担当者でも手配先を検討しやすくなります。
ただし、最初からすべての情報を登録する必要はありません。
よく依頼する協力会社から順番に登録し、実際の手配業務で必要になった項目を追加する方法をおすすめします。
管理する情報が増えすぎると更新が負担になるため、まずは必要最小限の項目に絞ることが大切です。
提案③:現場別の工程と手配状況を一つの表で確認できるようにする
協力会社の情報を整理したら、次は日々の手配状況を見えるようにします。
私たちなら、工事の予定と職人・協力会社の手配状況を結びつけた管理表を用意します。
たとえば、Excelで案件名、現場名、作業日、必要な工種、必要人数、手配先、担当者、手配状況を管理します。
手配状況は「未依頼」「回答待ち」「仮押さえ」「確定」「変更待ち」などに分けます。
この管理表を確認すれば、どの現場で手配が完了していて、どの現場に未確定の作業が残っているのかを把握できます。
さらに、同じ協力会社や職人の方が同じ日に複数の現場へ登録されている場合には、Excelの条件付き書式などを利用して注意表示を出すこともできます。
ただし、同じ協力会社が複数の班を派遣できる場合もあるため、重複しているという理由だけで自動的に問題と判断するのではなく、実際の対応可能人数を確認することが必要です。
重要なのは、問題が起きてから気づくのではなく、手配の段階で確認できることです。
まずは管理表の正式版を一つに決め、誰がいつ更新するかを統一します。
複数のExcelファイルをメールで送り合う運用は、情報の食い違いにつながるため避けたいところです。
提案④:発注メールを定型化して確認漏れを防ぐ
手配状況を管理できるようになったら、発注時のやり取りも整理します。
今回のケースではメールがすでに使われているため、連絡手段を無理に変更する必要はありません。
まずは、発注メールの書き方を統一することをおすすめします。
件名には案件名と作業日を入れ、本文には現場名、作業内容、必要人数、作業時間、集合場所、発注条件、回答期限などを記載する形にします。
こうすることで、発注する担当者によって必要な情報が抜けてしまうことを防ぎやすくなります。
また、協力会社から返信があった際には、その回答内容を手配管理表へ反映します。
変更があった場合も、変更内容をメールで確認し、管理表の情報を更新します。
特に重視したいのは、発注メールの送信記録と、相手先からの確定回答を分けて管理することです。
たとえば、回答期限を過ぎても確定していない案件だけを確認すれば、すべてのメールを何度も見直す必要がなくなります。
将来的には、定型メールの作成や回答期限の通知を自動化することも考えられます。
ただし、正式な発注・契約に必要な確認や承認は人が行い、仕組みには入力漏れや確認漏れを防ぐ役割を任せるのがよいでしょう。
提案⑤:小さな現場から始めて、必要に応じて共有システムへ移行する
ここまでの改善は、基本的にExcelとメールを使って始められます。
ただし、複数の現場担当者が同時に情報を更新するようになると、Excelだけでは管理が難しくなる可能性があります。
そこで私たちモンテカンポでは、最初から大規模なシステムを導入するのではなく、一部の現場で運用を試し、必要な機能を確認してから仕組みを広げる方法をおすすめします。
たとえば、まず1〜2現場を対象に、協力会社台帳と手配管理表を使ってみます。
そのなかで、入力にどのくらい時間がかかるか、手配漏れを発見できるか、管理者への問い合わせが減ったかを確認します。
改善効果を把握するため、手配ミスの件数、手配確定までの日数、確認作業にかかる時間、手配不足による工程変更の件数などを記録しておくとよいでしょう。
運用が定着し、複数人での更新が必要になった段階で、インターネット上で情報を共有できるクラウド型の管理サービスなどを検討します。
その際には、現場担当者と管理者それぞれの閲覧・編集権限や、情報の保存方法も確認します。
大切なのは、新しい道具を導入するだけで業務が効率化されるとは限らないということです。
入力や確認の手順が複雑なままでは、管理方法を変えても同じ問題が繰り返される可能性があります。
今回のケースでも、Excelから別のシステムへ移ること自体が目的ではありません。
手配業務を管理者の記憶に頼らず進められるようにし、現場と管理部門の双方が無理なく使い続けられることが大切です。
私たちなら、現場での試用を通じて入力項目や確認方法を調整し、必要な場合だけツール導入やシステム開発を検討します。
まとめ

今回の建設事業者様のケースでは、職人の方や協力会社の手配に関する情報が特定の管理者の方へ集中し、発注ミスや工期の遅れにつながっていました。
ただし、問題の本質は、管理者の方の記憶力や確認能力ではありません。
手配業務に必要な情報と、発注を確定するまでの流れが、会社全体で共有できる仕組みになっていないことです。
そのため、私たちモンテカンポなら、まずは手配業務の流れと確認ルールを整理します。
次に、職人・協力会社の情報をExcelで共通管理し、現場ごとの工程と手配状況を見えるようにします。
発注メールの書き方や回答の確認方法も統一することで、発注ミスや確認漏れを防ぎやすくなります。
そして、実際に運用してみて、Excelでは管理しきれない部分が出てきた段階で、共有システムの導入を検討します。
管理部門が1名だからこそ、新しい作業を増やすのではなく、現場担当者が必要な情報を記録し、管理者の方は判断が必要な案件に集中できる仕組みを目指したいところです。
長年培われた経験や人脈を、特定の方だけが持つ情報ではなく、会社全体で活かせる財産に変えていくこと。
それが、今回のケースにおける業務効率化の大きな目標だと私たちは考えています。
モンテカンポの業務効率化相談サービスでは、現在の業務の整理から、既存ツールの活用、必要に応じたシステム導入や運用の定着まで、それぞれの職場に合った改善方法を一緒に考えています。
職人の方や現場担当者の方が、本来の専門的な仕事に集中できる時間を増やせるように。
私たちモンテカンポは、日々の小さな業務改善から、無理なく続けられる仕組みづくりをお手伝いします。
本来の仕事に集中できる環境をつくりませんか?

専門的な知識や技術が必要な仕事ほど、日々の業務の中には、専門性とは直接関係のない作業も数多く発生します。
予約や顧客情報の管理、転記、集計、確認作業、進捗管理、書類作成など、本来はもっと効率化できる業務に時間を取られていないでしょうか。
こうした作業を一つひとつ見直していくことで、専門職の方が、専門職にしかできない仕事へ集中できる時間を増やすことができます。
モンテカンポの業務効率化相談サービスは、単にシステムやツールを導入するためのサービスではありません。
まず現在の業務を整理し、専門職が担うべき仕事と、仕組みに任せられる仕事を切り分けるところから支援します。 そのうえで、既存ツールの活用や業務フローの見直し、必要に応じたシステム開発まで、それぞれの現場に合った方法を考えます。
「この作業に毎日時間を取られている」
「担当者にしか分からない業務がある」
「もっと本来の仕事に集中したい」
そんな感覚が少しでもあるなら、一度業務を見直してみる価値があります。
課題が整理できていなくても問題ありません。今、時間を取られている業務や、負担に感じている作業をそのままお聞かせください。
専門職の方が専門性を発揮できる時間を増やすために、モンテカンポが業務の整理から一緒に考えます。
小さなお悩みでも大丈夫ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください!