テスト効率をアップさせるKPI設定術!明日から実行できる、QAマネージャーの戦略

QAマネージャーとして、テスト工程の効率化に頭を悩ませていませんか?

限られた時間とリソースの中で、品質の高いテストを実施することは容易ではありません。

そこで今回は、テスト効率を改善するためのKPI設定術を紹介します。

KPIを活用することで、テスト工程の現状を把握し、改善ポイントを明確化することができます。

この記事を読めば、テスト効率を向上させ、プロジェクトの成功、コスト削減、そしてチームメンバーのモチベーション向上に繋げることができます!

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KPIとは?

KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。

ビジネスの目標達成度合いを測るための指標で、目標達成に向けた進捗状況を把握し、評価するために用いられます。

なぜKPIを設定するのか?

KPIを設定することで、目指すべき方向性を明確化し、目標達成に向けてチーム全体で進むべき道を共有することができます。

また、KPIは現状を把握するためのツールとしても役立ちます。

現状を数値化することで、課題や問題点を明確にし、改善策を検討することができます。

さらに、KPIはモチベーション向上にも繋がります。

目標達成度合いを可視化することで、チームメンバーのモチベーションを高め、目標達成に向けて努力を促すことができます。

SMARTの原則を意識したKPIの設定

KPIを設定する際には、SMARTの原則を意識するといいでしょう。

SMARTとは、以下の5つの要素の頭文字をとったものです。

Specific(具体的)

KPIは具体的で明確な指標である必要があります。

例:「テストケースの消化率を向上させる」といった抽象的な目標ではなく、「テストケースの消化率を90%にする」といった具体的な目標を設定する。

Measurable(測定可能)

KPIは、数値で測定できる指標である必要があります。

例:「テストの品質を向上させる」といった定性的な目標ではなく、「バグ発生率を5%削減する」といった定量的な目標を設定する。

Achievable(達成可能)

KPIは、努力すれば達成可能な目標値である必要があります。

現状を分析し、達成可能な範囲で目標値を設定することで、モチベーションを維持することができます。

Relevant(関連性)

KPIは、ビジネスの目標と関連性の高い指標である必要があります。

例:プロジェクト全体の目標が「開発期間の短縮」である場合、KPIとして「テスト工程の短縮」を設定する。

Time-bound(期限)

KPIは、達成すべき期限を設ける必要があります。

例:「テストケースの消化率を90%にする」という目標に対して、「3ヶ月以内に達成する」といった期限を設定する。

テスト効率を測るためのKPI

テスト効率を測るためのKPIは、大きく分けて「プロセス改善のための指標」と「品質向上のための指標」の2つに分類できます。

プロセス改善のための指標

テスト項目消化率

計画したテスト項目のうち、実際に消化できた割合を示す指標です。

テストの進捗状況を把握し、スケジュール通りに進んでいるかを確認するために使用します。

例えば、100件のテスト項目のうち、80件を消化した場合、テスト項目消化率は80%となります。

バグ発生率

テストで見つかったバグの数を、テストしたコードの行数や機能数などで割った値です。

ソフトウェアの品質を測る指標として使用します。

バグ発生率が高い場合は、開発プロセスに問題がある可能性があります。

バグ修正率

発見されたバグのうち、修正されたバグの割合を示す指標です。

バグ修正のスピードを測る指標として使用します。

バグ修正率が低い場合は、バグ修正に時間がかかっている可能性があります。

テスト工数

テストに要した時間や人数を示す指標です。

テストの効率性を測る指標として使用します。

テスト工数が多い場合は、テスト工程に無駄が多い可能性があります。

テストカバレッジ

テストがどの程度、ソースコードや機能を網羅しているかを示す指標です。

テストの網羅性を測る指標として使用します。

テストカバレッジが低い場合は、テストが不足しており、バグが残ってしまう可能性があります。

品質向上のための指標

再現率

報告されたバグのうち、再現が確認されたバグの割合を示す指標です。

バグの再現性を測る指標として使用します。

再現率が低い場合は、バグの再現条件が明確でない、またはバグ報告の内容が不十分である可能性があります。

重大バグ発生率

発見されたバグのうち、重大なバグの割合を示す指標です。

プロジェクトのリスクを測る指標として使用します。

重大バグ発生率が高い場合は、重大なバグが多数発生しており、プロジェクトに大きな影響を与える可能性があります。

テスト自動化率

全体のテスト項目のうち、自動化されているテスト項目の割合を示す指標です。

テスト自動化による効率化を測る指標として使用します。

テスト自動化率を高めることで、テスト工数を削減し、テスト効率を向上させることができます。

これらのKPIを参考に、プロジェクトの目的や特性に合わせて、適切なKPIを設定しましょう。

KPIの設定方法

KPIを設定する際には、以下の3つのステップを踏むことが重要です。

目標設定

まずは、KPIを設定する目的を明確にしましょう。

テスト工程においては、以下のような目標が考えられます。

テスト効率向上: テストにかかる時間やコストを削減する。

品質向上: バグの発生率を減らし、ソフトウェアの品質を高める。

コスト削減: テスト工程全体のコストを削減する。

リスク軽減: 重大なバグの発生を抑制し、プロジェクトのリスクを軽減する。

納期遵守: テスト工程をスケジュール通りに進め、納期を遵守する。

チームワーク向上: チームメンバーの連携を強化し、チームワークを向上させる。

顧客満足度向上: 高品質なソフトウェアを提供することで、顧客満足度を高める。

これらの目標の中から、プロジェクトの現状や課題に合わせて、優先順位の高い目標を設定しましょう。

指標選定

次に、設定した目標を達成するために、適切なKPIを選定する必要があります。

KPIは、プロジェクトの目的や特性に合わせて選ぶことが重要です。

例えば、テスト効率を向上させたい場合は、「テスト項目消化率」や「テスト工数」などのKPIが考えられます。

品質向上を重視する場合は、「バグ発生率」や「テストカバレッジ」などのKPIが有効です。

また、コスト削減を目標とする場合は、「テスト自動化率」や「バグ修正コスト」などのKPIを設定すると良いでしょう。

目標値設定

KPIを選定したら、具体的な数値目標を設定しましょう。

目標値は、現状の数値を分析し、達成可能な範囲で設定することが重要です。

高すぎる目標値を設定してしまうと、モチベーションが低下し、KPIの効果が薄れてしまいます。

一方、低すぎる目標値を設定してしまうと、改善意識が低くなり、十分な効果が得られません。

現状を把握し、努力すれば達成できる、少し challenging な目標値を設定することで、チームメンバーのモチベーションを高め、KPIの効果を最大限に引き出すことができます。

KPIの計測と活用

KPIを設定したら、次はそのKPIをどのように計測し、活用していくかが重要になります。

計測したKPIのデータを分析し、改善活動に繋げていくことで、初めてKPIの効果を発揮することができます。

データ収集

KPIの計測に必要なデータは、様々な方法で収集することができます。

テスト管理ツール

TestRailやqTestなどのテスト管理ツールは、テストケースの実行状況やバグ発生状況などのデータを自動的に収集することができます。

バグ管理ツール

JiraやRedmineなどのバグ管理ツールは、バグの発生件数や修正状況などのデータを収集することができます。

アンケート

チームメンバーへのアンケートを実施することで、テスト工程に関する課題や意見を収集することができます。

ヒアリング

チームメンバーや関係者へのヒアリングを通して、定性的な情報を収集することができます。

これらの方法を組み合わせて、KPIの計測に必要なデータを収集しましょう。

分析

収集したデータは、ExcelやBIツールなどを用いて分析します。

分析の目的は、以下の2点です。

現状把握: 現在のテスト効率や品質レベルを把握する。

課題発見: テスト工程における課題や問題点を発見する。

例えば、「バグ発生率」のKPIを分析した結果、特定のモジュールでバグ発生率が高いことが判明した場合、そのモジュールの開発プロセスに問題がある可能性があります。

このように、KPIの分析を通して、現状を把握し、課題を発見することで、改善活動に繋げることができます。

改善

分析結果に基づいて、具体的な対策を実施します。

例えば、バグ発生率が高いモジュールに対しては、以下の様な対策が考えられます。

・コーディング規約のチェックを強化する

・レビュー体制を見直す

・テストケースの網羅性を高める

・テスト自動化を導入する

KPIの分析結果を参考に、適切な対策を実施することで、テスト効率の向上に繋げることができます。

モチベーション向上

KPIの計測結果は、チームメンバーに共有しましょう。

目標達成度合いを可視化することで、チームメンバーのモチベーションを高め、目標達成に向けて努力を促すことができます。

また、目標達成に対する reward (報酬)を設けることも、モチベーション向上に繋がるでしょう。

信頼獲得

KPIの計測結果は、上司や顧客への報告資料にも活用しましょう。

客観的なデータに基づいた報告を行うことで、上司や顧客からの信頼を得ることができます。

また、KPIの達成状況を報告することで、QAチームの貢献度をアピールすることもできます。

まとめ

今回はテスト効率を向上させるためのKPI設定術について解説しました。

KPIとは、目標達成度合いを測るための指標であり、テスト工程においても、効率化や品質向上などの目標達成のために活用することができます。

KPIを設定する際には、SMARTの原則を意識し、具体的な数値目標を設定することが重要です。

また、KPIは計測して活用することで、初めて効果を発揮します。

テスト管理ツールなどを活用してデータを収集し、分析結果に基づいて改善活動を行うことで、テスト効率を向上させることができます。

この記事を参考にして、KPI設定術をマスターし、テスト工程を効率化することで、プロジェクトの成功に貢献しましょう!

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この記事の監修

Dr.T。テストエンジニア。
PractiTestエバンジェリスト。
大学卒業後、外車純正Navi開発のテストエンジニアとしてキャリアをスタート。DTVチューナ開発会社、第三者検証会社等、数々のプロダクトの検証業務に従事。
2017年株式会社モンテカンポへ入社し、マネージメント業務の傍ら、自らもテストエンジニアとしテストコンサルやPractiTestの導入サポートなどを担当している。

記事制作:川上サトシ