ケース:グループホームの情報共有を効率化!事業所の出来事を本社が把握できる仕組みとは?

複数の事業所を運営するグループホームでは、現場で日々さまざまな出来事が起こります。
モンテカンポで業務効率化の仕事をしていると、「事業所で何が起きているのか本社まで伝わってこない」「拠点が増えるほど、全体の状況が分からなくなる」といった悩みを聞くことがあります。
特に、正社員だけでなくパートスタッフの方も多く働く職場では、勤務する時間帯や担当業務が異なるため、情報を共有するだけでも工夫が必要です。
そこで今回は、グループホームの現場と本社をつなぐ情報共有の課題と改善方法を、5つの提案で整理しました!
現場の負担を増やさず、必要な情報が自然と本社に届く仕組みを考えていきます。
今回のケースの概要

今回悩みを聞いたのは、社員10名、パートスタッフ80名の体制で複数のグループホームを運営されている事業者様です。
大きな悩みは、「事業所で起きたことが本社に十分伝わらず、拠点が増えるほど状況を把握しにくくなる」というものでした。
グループホームでは、ご利用者様の生活を支えるために、日々の体調の変化や設備の不具合、スタッフの勤務状況など、さまざまな情報を確認する必要があります。
例えば、ある事業所で設備の不具合が発生しても、本社がその状況を知らなければ修理の手配や予算の判断が遅れる可能性があります。
また、スタッフの欠員や業務上の困りごとも、現場だけで解決しようとしているうちに、本社が把握できないままになってしまうかもしれません。
ここで難しいのは、現場の方々が情報を伝えようとしていないわけではないという点です。
ご利用者様への対応を優先しながら、電話や口頭での連絡、記録の作成まで行うのは簡単ではありません。さらに、パートスタッフの方は勤務時間が限られているため、情報共有の機会にも差が生まれやすくなります。
私たちモンテカンポから見ると、今回改善すべきなのは、単に報告の回数を増やすことではありません。
現場で発生した情報を、誰が、いつ、どのように本社へ伝え、その後どう対応するのか。
この流れそのものを整理する必要があります。
今回のケースが抱える問題点

問題①:事業所から本社への報告ルールが統一されていない
まず考えられるのは、事業所ごとに情報の伝え方が異なっていることです。
例えば、ある事業所では責任者の方が本社に電話し、別の事業所では連絡事項をまとめて報告する、といった運用になっているかもしれません。
このように連絡方法が統一されていないと、同じような出来事でも、本社に伝わるタイミングや情報量に差が生まれます。
また、現場では対応済みだと思っていた出来事が、本社では把握できていないという状況も考えられます。
問題は、スタッフの報告に対する意識だけではなく、組織として共通の報告ルールが整っていない可能性があることです。
問題②:重要な情報と日常的な連絡が混在している
グループホームでは、日々の小さな連絡から緊急対応が必要な出来事まで、多くの情報が発生します。
例えば、備品の補充依頼と、ご利用者様の安全に関わる出来事では、求められる対応の早さが異なります。
ところが、すべての情報を同じ方法で共有していると、重要な連絡がほかの報告に埋もれてしまう可能性があります。
特に注意したいのは、事故や重大なトラブルが発生した場合です。
グループホームのサービス区分や自治体の定める基準によっては、ご家族や行政への連絡、事故の記録・報告などが必要になります。例えば、介護保険サービスにおける事故報告については、自治体が報告対象や提出方法を定めています。
単に情報を集めるだけでなく、緊急性に応じて適切な人へ確実につなぐことが重要です。
問題③:報告した後の対応状況が分からない
本社に情報が伝わったとしても、それだけで問題が解決するわけではありません。
例えば、事業所から設備修理の依頼があった場合、本社側で誰が対応するのか、修理業者への連絡は済んだのか、いつ完了するのかといった確認が必要になります。
こうした情報を個別の電話やメッセージで管理していると、時間が経ってから経緯を確認するのが難しくなります。
現場からも「以前報告した件はどうなったのだろう」と確認しなければならず、双方に余計なやり取りが発生します。
報告内容だけでなく、その後の対応状況まで見えるようにすることが必要です。
問題④:拠点が増えるほど本社の確認作業が増える
事業所の数が少ないうちは、責任者の方との日常的なやり取りで状況を把握できるかもしれません。
しかし、拠点が増えると、その方法には限界が出てきます。
各事業所に個別に連絡したり、報告内容を整理したりする作業が増え、本社の担当者の方が状況確認に多くの時間を使うことになります。
さらに、事業所ごとに報告する項目や形式が異なれば、全体の傾向を比較することも難しくなります。
本社が本来行うべきなのは、すべての出来事を一つずつ聞き出すことではありません。
各事業所の状況を把握し、支援や判断が必要な問題を見つけることです。
問題⑤:情報共有がスタッフ個人の頑張りに依存している
社員10名に対してパートスタッフ80名という体制では、勤務時間や勤務日数の異なる方々が協力して現場を支えています。
そのため、責任者の方が出勤している時間帯に情報が集まり、ほかのスタッフからの連絡を取りまとめるような運用になっていると、特定の方への負担が大きくなる可能性があります。
また、口頭での引き継ぎが中心の場合、直接顔を合わせる機会の少ないスタッフには情報が伝わりにくくなります。
「あの人に聞けば分かる」という状態は、拠点が増えるほど維持するのが難しくなります。
情報共有を個人の記憶や努力に任せず、誰でも必要な情報を確認できる環境を整えることが大切です。
モンテカンポが考える解決方法

今回のケースで私たちが重視したいのは、報告を増やすことよりも、報告しやすく、対応につながる仕組みをつくることです。
こうした考え方も踏まえながら、私たちなら次の5つの方法を検討します。
提案①:本社へ報告する情報とルールを明確にする
最初に取り組みたいのは、どのような出来事を、誰に、いつまでに報告するのかを整理することです。
例えば、情報を「緊急対応が必要なもの」「本社の判断が必要なもの」「定期的な共有でよいもの」の3つに分類します。
ご利用者様の安全に関わる緊急事態については、まず必要な安全確保や救急対応を行い、決められた連絡経路で速やかに報告します。
一方、設備の修繕依頼や備品の不足といった内容は、共通の報告台帳に登録する方法が考えられます。
また、すべての出来事を本社へ報告する必要があるとは限りません。現場で判断できる範囲もあわせて整理します。
こうすることで、スタッフの方は「これは本社に伝えるべきだろうか」と毎回迷わずに済みます。
私たちなら、まず現在の連絡内容を洗い出し、現場で完結できることと、本社の判断が必要なことを分けるところから始めます。
提案②:スマートフォンから入力できる共通の報告フォームをつくる
次に、事業所から本社への報告方法を統一します。
おすすめしたいのは、スマートフォンや事業所の共有端末から入力できる報告フォームです。
入力する内容は、事業所名、発生日時、出来事の種類、状況、希望する対応など、必要最小限に絞ります。
例えば、設備の不具合なら、該当する設備と症状を選択し、必要に応じて補足を入力するだけで報告が完了する形です。
入力する人によって報告内容が大きく変わらないようにすることがポイントです。
ただし、すでに使っている支援記録や介護記録のシステムがある場合は、同じ内容を二重に入力させない工夫も必要です。
既存システムから必要な項目だけを共有できるのであれば、その方法を優先します。
また、ご利用者様の健康状態などの個人情報を扱う場合は、情報の公開範囲や利用目的にも配慮が必要です。報告フォームには不要な個人情報を集めず、詳細な支援記録とは管理を分ける方法も考えられます。
提案③:報告から対応完了までを一つの台帳で管理する
報告フォームで集めた情報は、そのまま本社側の共有台帳へ登録できるようにします。
ここで管理したいのは、出来事の内容だけではありません。
「未確認」「対応中」「完了」といった対応状況に加えて、担当者と対応期限も記録します。
例えば、ある事業所から設備修理の依頼が登録されたら、本社担当者へ通知が届き、担当者が対応を進めます。
修理の手配が済んだら状況を更新し、作業が完了したら「完了」に変更します。
事業所側も、自分たちが報告した内容の進捗を確認できるようにしておけば、何度も電話で問い合わせる必要がなくなります。
また、期限を過ぎても対応が完了していない案件については、担当者へ自動通知する仕組みも考えられます。
「報告した」「聞いていない」「対応したはず」といった認識のずれを減らすことが狙いです。
提案④:全事業所の状況を本社が一覧で確認できるようにする
情報が一か所に集まるようになったら、次は本社が全体を把握しやすい形に整えます。
私たちなら、事業所ごとの報告件数や対応状況を一覧表示できる管理画面を検討します。
例えば、本社の担当者が画面を開くと、各事業所の未対応案件や緊急対応が必要な案件が確認できる形です。
さらに、設備の不具合が特定の事業所で続いていないか、同じ種類の困りごとが複数の拠点で発生していないか、といった傾向も確認できるようにします。
ここで大切なのは、報告件数が多い事業所を問題のある事業所と決めつけないことです。
報告件数が増えたのは、それまで共有されていなかった情報が届くようになった結果かもしれません。
そのため、件数だけでなく、報告までにかかった時間、未対応案件の数、対応完了までの日数などもあわせて確認します。
これにより、本社は単なる状況確認だけでなく、事業所への支援や改善策の検討に時間を使いやすくなります。
提案⑤:一部の事業所から試し、現場に定着する仕組みに育てる
今回のように多くのスタッフが働く事業者様では、いきなり全事業所に新しいシステムを導入することはおすすめしません。
まずは一部の事業所で試し、現場の方々に実際に使っていただきます。
例えば、設備の不具合報告や備品の不足連絡など、比較的ルールを決めやすい業務から始める方法です。
運用を始めたら、入力にどのくらい時間がかかるのか、報告漏れが減ったか、本社の確認作業が楽になったかを振り返ります。
また、社員の方だけでなく、パートスタッフの方にも使いやすさを確認することが重要です。
入力に時間がかかったり、操作方法が分かりにくかったりすれば、せっかく導入した仕組みも使われなくなってしまいます。
個人情報を扱う場合は、本社と各事業所で閲覧できる情報を適切に分け、職務に応じたアクセス権限を設けることも必要です。
個人情報保護委員会と厚生労働省のガイダンスでも、医療・介護関係事業者には適切な安全管理措置が求められています。
https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/iryoukaigo_guidance
私たちモンテカンポでは、最初から大きなシステムをつくることを前提にしていません。
まず業務の流れを整理し、既存のサービスで対応できるかを検討します。そのうえで、必要な機能が足りない場合には、小さな仕組みの開発や既存システムとの連携も選択肢に入れます。
現場で無理なく使い続けられることを確認してから、ほかの事業所へ広げていく。
これが、今回のケースでは特に大切だと考えています。
まとめ

今回のグループホーム運営事業者様のケースでは、拠点が増えるにつれて、現場で発生した出来事を本社が把握しにくくなるという課題がありました。
私たちが改善すべきだと考えるのは、報告のスピードだけではありません。
「現場で起きたことが本社に伝わり、必要な対応が行われ、その結果を現場も確認できる」という一連の流れをつくることです。
報告ルールを整理するだけでも改善できる部分はあるでしょうし、共通フォームや共有台帳を導入することで、さらに効率化できる可能性もあります。
大切なのは、システムを導入すること自体を目的にしないことです。
社員10名、パートスタッフ80名という体制だからこそ、勤務時間や役割の異なる方々が無理なく使える仕組みを考える必要があります。
私たちモンテカンポでは、業務の現状整理から改善方法の検討、必要に応じたシステムの導入・開発、運用の定着まで、事業者様の状況に合わせて支援しています。
現場の方々にはご利用者様に向き合う時間を、本社の方々には事業所を支えるための時間を。
拠点が増えても安心して運営できるように、まずは日々の情報の流れを見直すところから始めてみてはいかがでしょうか。
本来の仕事に集中できる環境をつくりませんか?

専門的な知識や技術が必要な仕事ほど、日々の業務の中には、専門性とは直接関係のない作業も数多く発生します。
予約や顧客情報の管理、転記、集計、確認作業、進捗管理、書類作成など、本来はもっと効率化できる業務に時間を取られていないでしょうか。
こうした作業を一つひとつ見直していくことで、専門職の方が、専門職にしかできない仕事へ集中できる時間を増やすことができます。
モンテカンポの業務効率化相談サービスは、単にシステムやツールを導入するためのサービスではありません。
まず現在の業務を整理し、専門職が担うべき仕事と、仕組みに任せられる仕事を切り分けるところから支援します。 そのうえで、既存ツールの活用や業務フローの見直し、必要に応じたシステム開発まで、それぞれの現場に合った方法を考えます。
「この作業に毎日時間を取られている」
「担当者にしか分からない業務がある」
「もっと本来の仕事に集中したい」
そんな感覚が少しでもあるなら、一度業務を見直してみる価値があります。
課題が整理できていなくても問題ありません。今、時間を取られている業務や、負担に感じている作業をそのままお聞かせください。
専門職の方が専門性を発揮できる時間を増やすために、モンテカンポが業務の整理から一緒に考えます。
小さなお悩みでも大丈夫ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください!